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亜鉛イオンはニッケルによる炎症反応を抑制する 亜鉛欠乏状態ではニッケルアレルギーが増悪化する可能性

発表のポイント

  • 生理的な濃度の亜鉛イオンがニッケルイオンによる細胞の活性化を抑制することがわかりました。
  • 低亜鉛状態のマウスではニッケルに対する反応性が増強されることを確認しました。
  • 本研究成果は、低亜鉛血症の人では金属アレルギーが増悪化する可能性があることを示唆しています。

概要

東北大学大学院薬学研究科の平澤典保教授、加齢医学研究所の小笠原康悦教授らの研究グループは、ニッケルイオンにより誘発される炎症細胞の活性化が、生理的濃度の亜鉛イオンにより抑制されることを明らかにしました。ニッケルイオンは炎症性細胞内に取り込まれ、炎症性サイトカインの1つであるインターロイキン-8の産生を誘導します。しかし亜鉛イオンはニッケルイオンの細胞内取り込みを抑制し、インターロイキン-8の産生を抑制しました。さらに、低亜鉛食により誘導した低亜鉛状態のマウスでは、ニッケル金属による炎症応答が増強することを見出しました。本研究成果から、近年日本人では亜鉛不足の人が増加していますが、低亜鉛血症の人では金属アレルギーが増悪化する可能性があり、注意が必要であるといえます。

本研究成果は、2月13日(日本時間)にScientific Reports誌に掲載されました。本研究の一部は東北大学加齢医学研究所における共同利用・共同研究拠点の支援によるものです。

論文情報
Zinc ions have a potential to attenuate both Ni ion uptake and Ni ion-induced inflammation
Ryo Onodera, Sanki Asakawa, Ryosuke Segawa, Natsumi Mizuno, Kouetsu Ogasawara, Masahiro Hiratsuka, Noriyasu Hirasawa

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問い合わせ先

東北大学大学院薬学研究科 
担当 平澤典保
電話:022-795-6809
E-mail:hirasawa*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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