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頻繁なインターネット習慣が小児の広汎な脳領域の発達や言語性知能に及ぼす悪影響を発見

【発表のポイント】

  • 小児の3年間の縦断追跡データを用いて、インターネット習慣が数年後の言語知能や脳の灰白質や白質の容積の変化とどう関連しているかを解析した。
  • 頻回のインターネットの習慣のある小児は言語知能が3年後に相対的に低下している傾向があった。
  • 頻回のインターネット習慣のある小児は広範な領域の脳の灰白質・白質の容積が相対的に減少していた。
  • 発達期の小児の頻回のインターネット習慣には一層の注意が必要であると示唆された。

【概要】

東北大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門(川島隆太教授)は、MRIによる脳イメージング装置を用いて、健常小児の脳形態、脳血流、脳機能の発達を明らかにすると共に、どのような生活習慣が脳発達や認知力の発達に影響を与えるかを解明してきました。

この度、同部門の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループは、小児の3年間の縦断追跡データを用いて、インターネット習慣が数年後の言語知能や脳の灰白質や白質の容積の変化とどう関連しているかを解析しました。頻回のインターネット習慣は、脳の広範な領域に及ぶ灰白質や白質や言語性知能の発達に伴う変化に対して影響していることを明らかにしました。今回の知見により発達期の小児の頻回のインターネット習慣には一層の注意が必要であることが示唆されます。

脳の局所の脳容積を明らかにできる脳画像解析、大規模なデータ、数年の期間をおいた縦断解析といった手法を用いて発達期の頻回のインターネット習慣の言語機能や広汎な神経回路への悪影響のメカニズムを新たに明らかにした点などから、従来にない研究成果として、米国脳画像雑誌Human Brain Mappingに採択されました。論文は2018年6月28日に電子版が発行されました。

図1 インターネット習慣と数年後の言語性知能の変化の関連

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学加齢医学研究所
認知機能発達寄附研究部門
准教授 竹内 光(たけうち ひかる)
電話番号:022-717-8457
電子メール:hikaru.takeuchi.b5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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