2018年 | プレスリリース・研究成果
高齢者における歯の本数と睡眠時間の関係が明らかに -歯がない高齢者は長時間・短時間睡眠になるリスクが1.4倍以上-
【研究のポイント】
- これまでの研究で、睡眠時間は長すぎても短すぎても健康問題に影響を及ぼすことが知られている。
- 本研究により、歯が少ない高齢者は長時間睡眠または短時間睡眠になるリスクが高いことが示された。
- より多くの歯を残せるよう歯の健康を保つことが適切な睡眠の維持に繋がる可能性が示唆された。
【研究概要】
高齢者において睡眠の問題は重要です。睡眠時間は短すぎても、長すぎても、死亡率が上昇するなどの健康問題に影響を及ぼすことが多数報告されています。歯は噛み合わせを保つ役割も担っており、歯が0本の人では下の顎が上方回転し、気道に影響を与えて睡眠時の呼吸を妨げる可能性があると言われています。そこで本研究では、歯の本数と睡眠時間の関連について検証しました。
その結果、歯が20本以上ある人たちと比較して、歯が全くない人では短時間睡眠(4時間以下)のリスクが1.4倍、長時間睡眠(10時間以上)であるリスクが1.8倍と、両極端な睡眠時間のリスクが高いことがわかりました。同様に歯が1-9本しか残ってない人でも、短時間睡眠のリスクが1.3倍、長時間睡眠のリスクが1.5倍高いこともわかりました。
本研究成果は2018年8月10日に睡眠医学の国際科学雑誌Sleep Medicineに電子版が掲載されました。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
国際歯科保健学分野 非常勤講師
大阪国際がんセンター
がん対策センター 疫学統計部
医員 小山 史穂子(こやま しほこ)
電話:06-6945-1181
E-mail:shihoko-koyama*umin.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学大学院歯学研究科
国際歯科保健学分野
准教授 相田 潤(あいだ じゅん)
電話:022-717-7639
E-mail:j-aida*umin.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
総務係
電話:022-717-8244
E-mail:den-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)