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機能を失ったリボソームを排除する分子機構を解明 ―機能不全リボソームに目印をつけて分解する分子機構の発見―

【発表のポイント】

  • 正確なタンパク質合成は生命現象の根幹であり、その異常は様々な疾患の原因となる。
  • リボソームの機能欠損は細胞に重大な影響を及ぼし、品質管理機構によって認識され排除される必要がある。
  • 研究グループは、機能を失ったリボソームに目印をつけて分解する因子群を同定した。
  • 機能を失ったリボソームに起因する遺伝病や、異常タンパク質の蓄積に起因する治療薬の開発に貢献すると期待される。

【概要】

東北大学大学院薬学研究科の稲田利文教授とドイツミュンヘン大学のBeckmann博士、東京都医学総合研究所の田中啓二所長らのグループは、様々な疾患の原因となる機能欠損リボソームを認識し排除する品質管理の分子機構を解明しました。新規品質管理因子が、正確なタンパク質合成ができない機能欠損リボソームを認識し、リボソームに目印となるユビキチン鎖をつけることを見出しました。さらに、ユビキチン化リボソームを、各サブユニットに解離した後で、機能欠損したリボソームを特異的に分解する分子機構を解明しました。

細胞の持つ新たな品質管理の仕組みが分子レベルで解明され、遺伝病の原因となる異常タンパク質の合成を効率的に抑制する治療薬の開発に貢献する事が期待されます。

この研究成果は、米国科学誌 Cell Reports にオンラインで 2019年3月20日(日本時間)に掲載されました。

本研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究A)と武田科学振興財団研究助成金により支援されました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院薬学研究科
担当 稲田利文
電話 022-795-6874,-6876
E-mail tinada*m.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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