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膵がんに対する新しい治療標的を発見 最も悪性で難治性の膵がんの治療に道を拓く

【発表のポイント】

  • 膵がんは、最も悪性で難治性のがんであり、有効な治療法の開発が望まれています。
  • このような膵がんに対し、私たちの発見したVasohibin-2(VASH2)の発現を阻害すると、膵がんの浸潤・転移が顕著に抑制され、生存期間が有意に延長することを明らかにしました。
  • VASH2は膵がんに対する新しい治療標的として期待されます。

佐藤靖史教授の研究グループは、血管新生を抑制する新規因子Vasohibin-1 (VASH1)と、そのホモログ(相同体)でVASH1と拮抗するVasohibin-2 (VASH2)を発見しています。このうちVASH2は、正常組織では発現しませんが、さまざまながんで発現上昇し、がんの進展と密接に「関係していること、さらに膵がんにおいて、VASH2の発現が高い患者ほど生存期間は有意に短いことを明らかにして来ました。

今回、膵がん細胞のVASH2産生を阻止することで、膵がんの浸潤・転移が顕著に抑制され、生存期間が有意に延長することを明らかにしましました。

この成果は、最も悪性な膵がんにおいても、VASH2は極めて有望な治療標的であることを示すもので、現在、VASH2を標的とした新しいがん治療法の開発を進めています。

本研究成果は、2019年5月9日Cancer Science誌のOn line版に掲載されました。また、本研究は文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学加齢医学研究所
東北大学未来科学技術共同研究センター
教授:佐藤靖史
電話:022-717-8528
E-mail: yasufumi.sato.b3*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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