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6万7千人分の生体試料・情報の分譲を開始 ‐食事などの生活情報から検査値まで幅広い情報を網羅‐

 【発表のポイント】

  • 東北メディカル・メガバンク計画は、長期健康調査によって得られた約6万7千人分の生体試料・情報の分譲を開始します。今回新たに分譲対象となるのは、当計画の地域住民コホート調査*1に特定健診共同参加型で参加された方全員のベースライン調査*2の生体試料とデータであり、これまでで最大のデータセットになります。
  • 分譲対象の試料はDNA・血漿・血清・尿、情報は調査票情報・血液と尿の検査情報・特定健診情報です。特に調査票情報は、食事、喫煙、飲酒、こころの健康など多岐にわたります。
  • 約6万7千人分もの幅広い情報を多くの研究者が利用できるようになり、個別化予防等、次世代医療の実現の加速が期待されます。

【内容】

東北メディカル・メガバンク計画は、地域住民コホートのベースライン調査のうち、2013年から2015年にかけて主に特定健康診査会場にて調査にご協力いただいた方々の試料(DNA、血漿、血清、尿)・調査票情報・検体(血液・尿)検査情報・特定健康診査情報の分譲を開始します。被災の程度などの参加者の特性・生活習慣・検査情報の分析を可能にします。

今回新たに分譲対象とするのは約6万7千人分のデータであり、喫煙・飲酒・身体活動等の基本情報に加え、こころの健康、睡眠、被災の影響、特定健康診査項目、血液・尿のデータが含まれています。多様かつ精度の高い分析が可能になることから、被災地における健康課題の抽出と対応策の検討、そして一人ひとりの体質に合わせた予防法の検討に活用いただけると考えています。

この情報は国内の疫学研究としても最大規模であり、これらの大規模データを広く活用いただくことは我が国の疫学研究の発展に貢献すると考えています。

新規に分譲する項目として、食事に関する頻度情報があります。この情報により、食事摂取頻度と検査データの関連を調べることが可能になります。

この約6万7千人分の大規模なデータは、所定の手続きの後、統合データベースdbTMM*3を通してさまざまな条件で検索してデータを閲覧することができます。また、分譲申請を経たうえで、分譲された試料や情報を用いた解析研究を行うことができます。分譲する試料・情報は個人の特定ができないよう匿名化されています。なお、調査で得られた試料・情報は、匿名化したうえで他研究機関に分譲可能なようインフォームド・コンセントを取得しております。

本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)による東北メディカル・メガバンク計画のもと、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)および岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)によって行われています。

【用語解説】

*1.コホート調査:ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの環境要因・遺伝的要因などと疾病発症の関係を解明するための調査のこと。「地域住民コホート調査」は東北メディカル・メガバンク計画により実施している20歳以上の方を対象としたコホート調査。

*2.ベースライン調査:2013年から2015年にかけて実施したリクルート時の調査。

*3.統合データベースdbTMM:2016年4月に発表した、東北メディカル・メガバンク計画で得られた各種情報を統合したデータベース。膨大なデータからの高速検索のほか、層別化集団の統計学的自動特徴付け等の機能を持つ。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
個別化予防・疫学分野
教授 寳澤 篤(ほうざわ あつし)
電話番号:022-273-6212

<分譲に関すること>
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
試料・情報分譲室
室長 鈴木 吉也(すずき きちや)
電話番号:022-273-6411
Eメール:dist*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学東北メディカル・メガバンク機構
長神 風二(ながみ ふうじ)
電話番号:022-717-7908
ファクス:022-717-7923
Eメール:pr*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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