本文へ
ここから本文です

ヒトとマウスのハイブリッド筋細胞の創製と応用 ―収縮運動する"培養ハイブリッド筋細胞"で高次筋機能を診断可能に―

【発表のポイント】

  • ヒトとマウス由来の筋細胞が互いに融合したハイブリッド筋細胞を創製した。
  • このハイブリッド筋細胞に対して、電気パルス刺激(ESP)を付与することにより、その収縮活動能力を飛躍的に高めることに成功した。
  • 運動性に障害のある筋疾患の場合でも、その疾患筋細胞をハイブリッド化することで「運動負荷テスト」などの細胞診断を行うことも可能となった。

【研究概要】

東北大学大学院 医工学研究科 病態ナノシステム医工学分野の神﨑 展(かんざき まこと)准教授は、東北大学大学院 医学系研究科 整形外科学分野の萩原嘉廣(はぎわら よしひろ)准教授、同 神経内科学分野の青木正志(あおき まさし)教授らとの共同研究により、ヒト由来筋細胞とマウス由来の筋細胞からなるハイブリッド筋管細胞を創製しました。さらに、このヒトとマウスの細胞からなる異種ハイブリッド筋管細胞に対して、適切な電気パルス刺激(EPS)を付与することにより、その収縮活動能力を飛躍的に高めることに成功しました。

この新技術を活用することにより、実際に走ったり運動したりすることが困難な筋疾患の患者さんから採取した筋衛星細胞をハイブリッド化して、培養系で「運動負荷テスト」を実施することも可能となり、運動による筋力アップ効率(あるいはその障害)といった高次筋機能の細胞診断も行うことができるようになります。また、さまざまな筋疾患や生活習慣病(メタボやロコモなど)の治療薬剤のスクリーニングにも貢献することが期待されます。

本研究成果は、2019年8月16日、国際科学誌Scientific Reports誌(電子版)に掲載されました (doi:10.1038/s41598-019-48316-9)。本研究は日本医療研究開発機構(AMED)や文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われました。

図1.ヒトとマウスの筋細胞からなるハイブリッド筋管細胞の創製とその応用

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院医工学研究科
病態ナノシステム医工学分野
准教授・神﨑 展(かんざき まこと)
電話番号:022-795-4860
E-mail:makoto.kanzaki.b1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ