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世界初、360度方向に連続的に移動可能な円形断面型クローラーを開発 ―柔らかい絨毯や点字ブロックの上でも、向きを変えずにスムーズに移動―

NEDOと東北大学は、全方向(360度方向)への連続移動を実現した円形断面型クローラーの開発に世界で初めて成功しました。柔らかい絨毯をはじめ、点字ブロックの段差や踏切内の線路の溝など、一般の車輪では走りにくい環境でも、クローラーの向きを変えることなく縦・横・斜めの方向にスムーズに移動できます。

本機構はオムニクローラーが備える高い耐荷重性・走破性に加え、放射状に最密配置した履帯(クローラー)が駆動することにより、任意方向への連続的な移動を可能にしました。

電動車いすをはじめ、移動型ナビゲーションロボットや屋内外の巡回警備ロボットなど、総重量の大きなモビリティー(移動体)用の駆動機構としての用途が期待されます。

【概要】

車いすや移動型ロボットなどの総重量の大きなモビリティー(移動体)にとって、柔らかい絨毯をはじめ、点字ブロックの段差や踏切内の線路の溝などの上を走ることは、一般の車輪では難しいのが現状です。従来、ロボットの自由な方向移動の方法としてオムニホイール※1などの全方向移動車輪が開発されてきましたが、車輪の段差乗り越え性能に限界があることや、車輪の設置面積が小さく柔らかい面の上ではスムーズに移動できないことなどが課題となっていました。

そこで国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と国立大学法人東北大学は、2015年から「全方向駆動機構を核とした革新的アクチュエーション技術の研究開発」※2に取り組んでいます。

本機構はオムニクローラー※3が備える高い耐荷重性・走破性に加え、放射状に最密配置した履帯(クローラー)が駆動することにより、任意方向への連続的な移動を可能にしました。

電動車いすをはじめ、移動型ナビゲーションロボットや屋内外の巡回警備ロボットなど、総重量の大きなモビリティー用の駆動機構としての用途が期待されます。

図1 円形断面型クローラー

【用語解説】

※1 オムニホイール
3個以上組み合わせることにより、全方向移動を可能にする車輪です。受動的に回転する複数個のローラーで構成し、凹凸に弱いという課題があります。

※2 「全方向駆動機構を核とした革新的アクチュエーション技術の研究開発」
事業名:次世代人工知能・ロボット中核技術開発/全方向駆動機構を核とした革新的アクチュエーション技術の研究開発
事業期間:2015年~2019年

※3 オムニクローラー
東北大学により研究開発された円形断面クローラーです。斜め方向に移動する際に、軸方向の駆動用モーターの回転方向の切替えを行なう必要があり、連続的な任意方向移動は困難という問題があります。

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問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
東北大学大学院情報科学研究科
タフ・サイバーフィジカルAI研究センター
担当:多田隈
TEL:022-795-7025

(広報についての問い合わせ先)
東北大学大学院情報科学研究科 広報室
担当:佐藤
TEL:022-795-4529
E-mail:koho*is.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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