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膵嚢胞性腫瘍術後再発のパターンを解明 -膵がんの早期発見や再発予測に期待-

【発表のポイント】

  • 膵がんの危険因子とされる膵管内乳頭粘液性腫瘍(以下、IPMN)について、国内の共同研究により、外科切除材料を用いたゲノム解析を実施した。
  • 腫瘍の分布を詳細にマッピングした結果、ゲノム・タンパク異常の分析によって、IPMNの術後再発のパターンが発見された。
  • 再発病変の多くが初発腫瘍と同一の芽(クローン)から発生し、発育場所がスキップして二次病変が発生したものであることを実証した。
  • このような再発は、「膵管内の播種」によって生じたと考えられ、①膵体尾部に発生する病変、②胆膵型と呼ばれるIPMNの一亜型にみられやすいことを明らかにした。

【概要】

この度、手稲渓仁会病院・消化器病センターの永井一正医師(現、東京医科大学・消化器内科)、札幌東徳洲会病院・医学研究所の水上裕輔部門長(旭川医科大学医学部内科学講座 准教授)、小野裕介主任研究員、及び同病理(現、東北大学)大森優子助教らの研究チームは、嚢胞(のうほう)性膵腫瘍「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」で手術を受けた患者さんを対象に行った研究により、再発に特徴的なパターンを発見しました。

本研究成果は、米国カナダ病理学会雑誌『Modern Pathology』への掲載に先立ち、11月13日付けでオンライン版にて公開されました。

【用語解説】

膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm : IPMN):
膵臓にできる嚢胞(のうほう)の一種です。膵管(膵液が流れる管)の内部に、盛り上がるよう(乳頭状)に増殖する腫瘍で、豊富な粘液分泌を特徴とする。それ自体が膵癌の初期病変であるばかりでなく、膵癌が合併(併存)する場合もある。

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問い合わせ先

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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