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分子の立体構造が明らかにする血圧調節の仕組み ―少しの違いで大違い―

【概要】

京都大学大学院医学研究科 浅田秀基 特定講師、岩田想 教授、東北大学大学院薬学研究科 井上飛鳥 准教授らは、血圧の調節に重要な生理活性ペプチドホルモンであるアンジオテンシンII(AngII)が結合した2型アンジオテンシンII受容体の立体構造を世界に先駆けて明らかにしました。AngIIは血圧を調節する作用を持つ生理活性ペプチドホルモンであり、アンジオテンシンII受容体(ATR)と結合することで血圧を調節することが知られています。そのため、AngII、およびATRは高血圧症の治療薬の重要な標的となっています。これまで、私たちはAngIIの類似体が結合した2型アンジオテンシンII受容体の構造を決定しましたが、AngIIが結合した構造は未知のままでした。今回、このAngIIが結合した構造を明らかにし、AngIIの類似体が結合した構造との比較から、細胞外の情報が細胞内へ伝わるメカニズムの一端を明らかにすることに成功しました。今回の結果は、血圧が調節されるメカニズムの一端を立体構造から明らかにするもので、高血圧症に対する理解をより深めることが期待されます。

本研究成果は、2019年12月30日に米国の国際学術誌「Structure」に掲載されました。

図. 私たちは、生理活性ペプチドホルモンであるアンジオテンシンIIが結合した2型アンジオテンシンII受容体(膜タンパク質)のX線結晶構造を明らかにしました。膜タンパク質の構造解析は、そのタンパク質の結晶を作製し、得られた結晶にX線を照射しデータを取得・解析することでおこないます。明らかになった立体構造からその膜タンパク質の働きや仕組みを読み解きます。

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問い合わせ先

(研究内容に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 分子細胞生化学分野
准教授 井上飛鳥
TEL:022-795-6861
FAX:022-795-6859
E-mail:iaska*mail.pharm.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
Tel:022-795-6801
Fax:022-795-6805
E-mail:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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