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光周波数帯で作動する高速応答ダイオードを実現 ― 光の波動性を用いた新たな光電変換を可能に ―

【発表のポイント】

  • 光をアンテナで捉えダイオードで整流することで電力として取り出すことができ、従来の光の粒子性に基づく光起電力効果(太陽電池)とは異なる光の波動性に基づいた光電変換が可能となります。
  • マイクロ波領域(数GHz)では90%以上の変換効率が実現されており、高効率な電力変換技術であることが明らかになっていますが、可視光の波長域(数百THz~)では既存のダイオードでの整流が困難であり、高速(数百THz~)で作動するダイオードの実現が必要でした。
  • これまでに報告されている高速応答ダイオードと比較し、約1,000倍の電力変換効率向上に寄与するダイオード性能を実証しました。さらに構造最適化によって約10,000倍まで光電変換効率の向上が可能であることがわかりました。

【概要】

光を直接電力に変換するデバイスの一つに"レクテナ"があります。これは、アンテナで捉えた光(電磁波)をダイオードで整流するデバイスです。このデバイスにおいて、これまでに電子レンジの波長域(マイクロ波領域(数GHz))では90%以上の電力変換効率が得られていましたが、太陽光のような可視光波長域(数百THz~)では、このような高い周波数で作動する高速応答ダイオードがないため作動できませんでした。東北大学大学院工学研究科の松浦大輔(当時 修士学生)、清水信(助教)、湯上浩雄(教授)のグループは金属―絶縁体―金属トンネルダイオードにおいて、トンネル層と金属の間に自然酸化膜を意図的に成長させることでダイオードの高速応答性能が大幅に向上し、従来の10,000倍の光電変換効率向上が可能であることを明らかにしました。

本研究成果はSpringer Nature社の学術誌「Scientific Reports」に2019年12月23日付(英国時間)でオンライン公開されました。

図1 光レクテナを用いた電力変換イメージとその光電変換メカニズムの概要

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学大学院工学研究科 機械機能創成専攻
助教 清水 信
電話 022-795-6925
E-mail m_shimizu*energy.mech.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学大学院工学研究科 情報広報室
担当 沼澤 みどり
電話 022-795-5898
E-mail eng-pr*eng.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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