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アモルファスシリコンを液体から直接つくることに成功

【発表のポイント】

  • 融けたシリコンの温度を融点から約300℃以上下げるとアモルファスが形成されることを見出した。
  • 液体急冷法を用いたアモルファスシリコンの量産を実現するために解決すべき問題点が明らかになった。
  • 過冷却液体シリコンとアモルファスシリコン間の1次相転移を示すと考えられる現象を観測した。

【概要】

東北大学金属材料研究所の岡田純平 准教授、宇田聡 教授を中心とする研究グループは、「静電浮遊法」を用いて、液体シリコン(Si)を充分に過冷却※1させた状態を実現し、これを固化することによってアモルファスSiができることを見出しました。さらに、この過冷却液体SiとアモルファスSiの間の関係が「準安定相間※2の1次相転移※3」であることを実験的に明らかにしました。成果の詳細は米国物理学協会が発行する「Applied Physics Letters」に3月4日付けで掲載されました。

図1:Si融体の過冷却状態を急冷するための装置。静電気を用いて浮遊保持したSi融体の液滴を落下させ、2個の銅ピストンで勢いよくはさみ込むことによって試料を急冷する。

【用語解説】

※1 過冷却:
液体の温度が融点以下に下がる現象を過冷却と呼びます。

※2 準安定相:
0度以下になると水が氷になるように、物質の状態は温度や圧力によって変化します。ある条件においてもっとも安定な物質の状態を安定相と呼び、安定相ではないが比較的安定な状態を準安定相と呼びます。準安定相は我々の身の回りの材料として使われており、ダイヤモンドやガラスは準安定相です。

※3 1次相転移:
典型的な1次相転移として氷の融解があげられます。氷を融かすためには氷を温める必要があります。また氷が融けて水になるときは体積が縮みます。熱の出入りや、体積の変化を伴う変化の多くは1次相転移です。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究内容に関して)
東北大学金属材料研究所
結晶材料化学研究部門
岡田純平
TEL:022-215-2102
Email:junpei.t.okada*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関して)
東北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
TEL:022-215-2144
FAX:022-215-2482
Email:pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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