本文へ
ここから本文です

世界のダイコン500品種のゲノム情報を公開

【発表のポイント】

  • 世界で広く栽培され、根の形、大きさ、色、成分などの点で多様な特徴を持つ500を超えるダイコンの品種のDNAを分析し、染色体全体に渡って異なる部分(SNP:一塩基多型。ゲノム情報の一つ)を明らかにした。
  • 大量のSNP情報を使った系統解析により、世界中に分布するダイコンは、栽培地域と関連して大きく4つのグループに分かれ、日本のグループは独自の一つのグループを形成することが分かった。
  • 膨大な品種間のSNP情報は、多様な特徴を決める遺伝子の同定やゲノム情報を利用した育種(品種開発)の加速に繋がることが期待される。

【概要】

ダイコンの品種開発を加速するためにはゲノム情報の基盤整備を進める必要があります。2014年にダイコンのゲノム塩基配列情報を世界に先駆けて発表したのに続き、ゲノム情報を高度化するため、東北大学大学院農学研究科を中心に、千葉県のかずさDNA研究所と農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)野菜花き研究部門と協力して、地域に根付いた品種を主として500を超える世界各地のダイコン品種のDNAを分析し、世界最大級の数となる品種間で異なる部分(SNP:一塩基多型)を明らかにしました。この遺伝情報に基づくと、世界のダイコンは大きく4つのグループに分類され、日本の品種は独自のグループを形成することが分かりました。この研究の詳細は国際科学雑誌「DNA Research」への掲載が決定し、それに先立ち令和2年3月13日にオンラインで発表されました。

本成果により、ダイコン特有の特徴(形質)を支配している遺伝子の探索やゲノム情報を利用した育種(品種開発)、さらに品種を識別するDNA分析技術開発が加速すると期待されます。

図1 検出したSNPの染色体における分布の様子
約53,000 SNPのうちの一部の位置を赤で示している。Rs1〜Rs9は染色体の番号を示す。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学 大学院農学研究科
応用生命科学専攻 植物遺伝育種学分野
教授 北柴 大泰
〒980-8572 仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
Tel:022-757-4268
E-mail:hiroyasu.kitashiba.c7*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 大学院農学研究科 総務係
Tel:022-757-4004
E-mail:agr-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ