本文へ
ここから本文です

AIによる洪水浸水域の推定 ~過去の水害データの機械学習により、洪水の迅速な把握が可能に~

【発表のポイント】

  • 過去の水害データを機械学習して、新たに発生した水害被災地の衛星観測データから高精度で浸水範囲を推定するアルゴリズムを構築した。
  • 2018年西日本豪雨水害のデータを学習し、2019年台風19号水害の浸水域を推定したところ、約8割の精度で把握することができた。
  • 過去の水害データを蓄積してそれを学習することにより、将来起こる水害の被害把握を迅速かつ高度に推定できることが実証できた。

【概要】

人工知能(AI)によって衛星画像から洪水被害を把握するには、多くの水害事例からデータを集積し、それを学習する必要があります。東北大学災害科学国際研究所のErick Mas准教授と越村俊一教授らの研究グループは、過去の水害(2018年西日本豪雨水害)データの機械学習により、未知の水害の浸水域を推定するアルゴリズムを構築しました。これを2019年台風19号に適用し、その性能を評価したところ、約8割の精度で浸水範囲を特定できたことから、過去の災害情報を学習したAIがこれから起きる災害の把握をリアルタイムに近い時間で行える可能性があることを実証することができました。

本研究成果は、2020年7月13日にRemote Sensing誌に掲載されました。

図1. 分析を行った観測データ(2019年台風19号)と学習データ(2018年西日本豪雨水害)の関係。2018年西日本豪雨の被災地(岡山県倉敷市真備町)の浸水域のデータを機械学習し、2019年台風19号の福島県郡山市の浸水域の推定を行った。

詳細(プレスリリース本文)※2020年7月16日に訂正版へ差替PDF

※1頁目の【問い合わせ先】の電話番号を以下のとおり訂正いたしました。
<訂正前>
TEL:022-752-2058
<訂正後>
TEL:022-752-2084

問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所
准教授 マス エリック、教授 越村 俊一 
TEL:022-752-2084
Eメール:mas*irides.tohoku.ac.jp(マス)
koshimura*irides.tohoku.ac.jp(越村)
(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ