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周囲の温度で冷暖切換する固体冷媒材料を開発 -固体冷凍技術における新発見-

【発表のポイント】

  • 外力を加えることにより吸熱する、従来とは逆の冷却効果を確認
  • 周囲の温度に応じて、応力印加時の吸熱・発熱反応が切り替わる現象を発見
  • 省エネ・低環境負荷の次世代冷凍技術実現への貢献が期待できる
  • 材料自身の特性のみで周辺温度を一定に保つ恒温材料への応用が期待できる

【概要】

エアコンや冷蔵庫等に幅広く利用される冷却技術に代わる、より省エネ・低環境負荷の次世代冷凍技術開発が急速に進められています。東北大学大学院工学研究科の博士課程後期3年大平拓実氏、許皛助教らの研究グループは、応力により発熱する従来の現象(弾性熱量効果)とは逆に、応力により吸熱する現象(逆弾性熱量効果)をコバルト系合金にて確認しました。さらに、本コバルト系合金において、周囲の温度に応じて、吸熱・発熱反応が切り替わる機能的な新しい特性が発見されました。これは、「固体冷凍技術」の発展に貢献する新たな物理現象の発見です。

この合金により温暖化ガスを利用しない次世代冷凍装置設計に新たな自由度を与えることや、温度を一定に保つ恒温材料への応用が期待できます。

本成果は、2020年8月14日付の米科学誌Applied Physics Reviewsにて掲載され、Featured Articleに選ばれました。さらに、AIP(American Institute of Physics, 米国物理学協会)のハイライト(Scilight)にも紹介されました。

図1 応力印加・除荷過程で観測した本コバルト系合金の温度変化。室温では応力印加により発熱し、除荷することで吸熱する通常の弾性熱量効果を示すが、低温では応力を印加することで吸熱し、除荷することで発熱する逆弾性熱量効果が観測された。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学大学院工学研究科 担当 許 皛 助教
電話: 022-795-7323
E-mail: xu*material.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学工学研究科情報広報室 担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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