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ハードディスク用書き込みヘッドの新たな解析技術を開発~世界で初めて100億分の1秒の精度でヘッド動作の画像化に成功、ハードディスクの大容量化に貢献~

【概要】

株式会社 東芝、公益財団法人 高輝度光科学研究センター(JASRI)、国立大学法人 東北大学は共同で、大型放射光施設SPring-8(*1)の放射光(*2)を用い、ハードディスクドライブ(HDD)用書き込みヘッド(*3)の磁化の挙動を100億分の1秒の精度で画像化することに世界で初めて成功しました。今回開発された手法により、書き込みヘッドの動作解析が高精度にできるようになることで、次世代書き込みヘッドの開発が加速し、HDDのさらなる大容量化が期待できます。今回の研究成果(*4)はJournal of Applied Physics で10月6日に発表され、12月14日より開催される第44回日本磁気学会学術講演会でも発表される予定です。

今回開発した解析技術の概略

【用語解説】

*1 大型放射光施設SPring-8
兵庫県の播磨科学公園都市にある、世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設。その利用支援等は高輝度光科学研究センターが行っています。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8 GeVに由来しています。SPring-8では、放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。

*2 放射光
電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波。放射光には次のような特徴があります。"極めて明るい"、"細く絞られ広がりにくい"、"X線から赤外線までの広い波長領域を含む"、"偏光している"そして"短いパルス光の繰り返しである"。

*3 書き込みヘッド
HDDでは、書き込みヘッドを用いて局所的な磁場(書き込み磁場)を発生し、磁気記録媒体にデジタル記録を行います。HDDの記録密度、記録スピードは、書き込み磁場の分布、書き込みヘッドの動作スピードによって決まります。

*4 今回の研究成果
米国物理学協会の学術雑誌「Journal of Applied Physics」オンライン版に10月6日付で掲載されました。 doi.org/10.1063/5.0022571

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
教 授 岡本  聡(おかもと さとし)
准教授 菊池 伸明(きくち のぶあき)
電話:022-217-5359
E-mail:satoshi.okamoto.c1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
国立大学法人東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
電話: 022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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