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液体アンモニアを燃料とする噴霧火炎の安定化に成功― アンモニアガスタービン発電の実用化に向けて前進 ―

【発表のポイント】

  • 高温旋回空気流を用いることによって、液体アンモニア噴霧を安定燃焼させることに成功
  • CO2を排出しないアンモニアを燃料とするガスタービン発電の実用化に大きく前進
  • 既設ガスタービンを最小限の改造でアンモニア燃焼用に変更することも可能であり、脱炭素社会早期実現への貢献が期待

【概要】

アンモニア(NH3)は水素(H2)と同様,温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料として期待が高まっています。東北大学流体科学研究所の小林秀昭教授、早川晃弘准教授らの研究グループは、株式会社IHI、産業技術総合研究所との共同研究により、ガスタービン燃焼器のモデルである旋回流燃焼器注1において、高温旋回空気流中に液体アンモニアを噴射する方法により、純アンモニア噴霧火炎ならびに、天然ガスの主成分であるメタン(CH4)と混焼させたアンモニア噴霧火炎を安定化させることに成功しました。この成功によって、温室効果ガスを排出しないアンモニアガスタービン発電の実用化に向けて大きく前進しました。

本成果は、2020年12月4日に第58回燃焼シンポジウムにおいて口頭発表されました。

図 500 Kに予熱された高温旋回空気流中に安定化された純アンモニア噴霧火炎。安定した火炎基部が形成され、旋回しながら燃焼器の長さである150 mmの範囲内で概ね燃焼完了している。

【用語解説】

注1:旋回流燃焼器
 空気供給部に旋回流れを生じさせる羽根を有する燃焼器です。空気流に旋回を与えることで燃焼器中心に低速あるいは逆流をつくり、火炎を安定化しやすくする流れ場の特徴を持っています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学流体科学研究所 
担当 小林秀昭
電話 022-217-5272
E-mail hideaki.kobayashi.a3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

担当 早川晃弘
電話 022-217-5279
E-mail akihiro.hayakawa.b2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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