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異常タンパク質につく目印が神経変性を起こす仕組みを解明 〜CATテイルによる異常タンパク質の標識とその機能不全による細胞死〜

【発表のポイント】

  • 遺伝子発現の間違いにより産生される異常タンパク質にCATテイルとよばれる目印が付加されることを、ヒト細胞やマウス神経細胞を用いて初めて明らかにしました。
  • CATテイルを持つ異常タンパク質が神経細胞の正常な形成を阻害し、さらに細胞死を引き起こすことを明らかにしました。
  • CATテイルを持つ異常タンパク質の毒性の原因として、CATテイルを介したタンパク質凝集体の形成が関与することを明らかにしました。
  • 異常な翻訳産物の蓄積は、神経変性疾患やがん、生活習慣病など多様なヒト疾患の発症原因となりうることが知られており、今回の研究成果はそれらの疾患の分子機序の理解につながる重要な知見となると期待されます。

【概要】

遺伝子発現の間違いにより産生される異常タンパク質にはCATテイルとよばれる目印が付加されることを、ヒト細胞において初めて明らかにしました。また、CATテイルを持つ異常タンパク質が神経細胞の正常な形成を阻害し細胞死を引き起こすこと、CATテイルを持つ異常タンパク質の毒性の原因としてCATテイルを介したタンパク質凝集体の形成が関与することを明らかにしました。異常な翻訳産物の蓄積は、神経変性疾患やがん、生活習慣病をはじめとする多様なヒト疾患の発症原因となりうることが知られており、今回の研究成果はそれらの疾患の分子機序の理解につながる重要な知見となると期待されます。

本研究成果は、2021年1月5日(火曜日)11時(米国東部標準時)に米国科学誌『Cell Reports』にオンライン掲載されました。

図1. 新生タンパク質品質管理機構RQCによる異常新生タンパク質の分解とその機能不全による神経細胞形態形成の障害やプログラム細胞死の誘導

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科遺伝子制御薬学分野
稲田 利文教授
電話:022-795-6874
メールアドレス:toshifumi.inada.a3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

宇田川 剛助教
電話:022-795-6876
メールアドレス:udagawa*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
星野公太郎
電話:022-795-6801

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