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妊婦・不妊治療患者の新型コロナウイルスへの感染不安 -不安を高める要因が明らかに-

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:大学院教育学研究科 教育心理学講座臨床心理学分野・教授・若島 孔文
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 新型コロナウイルス感染症の拡大状況下において、日本の妊婦が抱えている感染不安の高さや、感染不安に影響を与える要因が明らかになった。
  • 妊婦と不妊治療患者は、どちらも高いレベルの不安を抱えていた。
  • 買い溜めなどの備蓄行動が妊婦の新型コロナウイルスへの不安を高める。
  • 体調チェックなど、日々の自身の健康をモニタリングする行動も妊婦の新型コロナウイルスへの不安と関連する。
  • インターネットやSNSからの情報を重視している妊婦は、新聞やテレビ番組などの従来型のメディアからの情報を重視している妊婦に比べて、新型コロナウイルスに対する不安が低い。

【概要】

日本国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されてから1年以上が経過し、多くの人が生活様式の変更を余儀なくされています。これは、妊婦や不妊治療を受けている患者も同様ですが、妊婦・不妊治療患者の新型コロナウイルス感染に関わる心理学的な研究は十分に行われてきませんでした。

北海道教育大学釧路校 浅井継悟 准教授、東北大学大学院教育学研究科 若島 孔文 教授を中心とする研究グループは、妊婦・不妊治療患者を対象にした新型コロナウイルスに対する不安についてのアンケート調査を行いました。本研究では当研究グループが翻訳した、新型コロナウイルス恐怖尺度(Fear of COVID-19 Scale)を使用し、妊婦・不妊治療患者の新型コロナウイルス感染不安を測定しました。305名の妊婦・不妊治療患者のデータを分析した結果、妊婦、不妊治療患者共に新型コロナウイルスへの不安は高いものの、妊婦においてその傾向がより顕著でした。妊婦に関してより詳細な分析を行った結果、買いだめ行動、自身の健康をモニタリングすること、最も重視する情報源の3つが、COVID-19への不安と関連していることが明らかになりました。

この研究成果は、2021年2月にJournal of Affective Disorders Reportsに掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院教育学研究科
教授 若島 孔文(わかしま こうぶん)
電話番号:022-795-6139
E-mail:kobun.wakashima.d3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学教育学部・教育学研究科総務企画係
電話番号:022-795-6103
E-mail:sed-syom*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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