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身分を超えた剣術の世界:江戸時代 『出羽国の庶民剣士―武田軍太「武元流剣術実録」の世界』を出版

【発表のポイント】

  • 江戸時代は「士農工商」という厳しい身分制度があり、武術は武士だけの特権だと理解されてきました。
  • 当時の歴史資料を解読すると、多くの百姓たちが剣術をならい、地域のなかに文化として定着したことがわかります。
  • 本書では、百姓出身の武田軍太が書いた記録を紹介し、身分を超えた剣士たちの世界を明らかにしています。

【概要】

著者の平川新は、これまで、関東に多数の庶民剣士が存在したことを明らかにしてきました。本書で紹介した武田軍太著の「武元流剣術実録」は、出羽国にも庶民剣士が多数存在したことを証明し、江戸時代の身分制を理解するための一級史料です。

武田軍太は、百姓身分ながら剣術で身を起こし、文化13(1815)年に高畠藩の剣術師範となりました。武士の門人は同藩のほか、米沢藩士と仙台藩士も確認できます。庶民の門人は、軍太の本拠である高畠周辺および天童近在村々の農民たちで、およそ500人近くを数え、剣術が在村文化として広く定着していたことがわかります。

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問い合わせ先

東北大学東北アジア研究センター
担当 荒武賢一朗 野本禎司
電話 022-795-3140 022-795-3196
E-mail uehiro*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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