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AIによる洪水時の浸水建物の把握 〜報道情報の学習により、建物の浸水判別の迅速化が可能に〜

【本学研究者情報】

〇本学代表者所属・職・氏名:災害科学国際研究所 災害評価・低減研究部門 災害ジオインフォマティクス研究分野・教授・越村 俊一
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 水害発生直後に報道機関が新聞やニュースサイトで公表する写真を機械学習して、水害被災地の衛星観測データから高精度で浸水建物を把握するアルゴリズムを構築した。
  • 2018年西日本豪雨水害に本アルゴリズムを適用したところ、災害発生から24時間以内に報道された情報を学習し、建物の浸水を約8割の精度で把握することができた。
  • 被災地の状況を迅速に伝える報道機関と連携することで、大規模水害の被害把握を迅速かつ高度に推定できることを実証した。

【概要】

人工知能(AI)によって衛星画像から洪水被害を把握するには、多くの水害事例からデータを集積し、それを機械学習する必要がありました。今回、東北大学大学院工学研究科の岡田元希(修士学生)、災害科学国際研究所(タフ・サイバーフィジカルAI研究センター兼務)の越村俊一教授とErick Mas准教授らの研究グループは、過去の事例データを用いることなく、水害発生直後に報道機関が発行した新聞やウェブサイトの写真を機械学習し、衛星観測データから高精度で浸水建物を把握するアルゴリズムを構築しました。その性能を評価するために2018年西日本豪雨水害に適用したところ、洪水発生から24時間以内に報道された情報を利用することで、浸水した建物を約8割の精度で特定できました。報道機関と連携すれば、AIにより浸水建物の把握をリアルタイムに近い時間で行える可能性があることを実証できました。

本研究成果は、2021年4月5日にRemote Sensing誌に掲載されました。

図 報道情報の学習により得られた浸水建物マップ。赤が浸水した建物、青は浸水していない建物、緑が学習データ。洪水が発生してから24時間以内に得られる報道情報を活用することで、約8割の精度で浸水建物の広域被害把握が可能であることがわかった。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所
教授 越村 俊一、准教授 マス エリック
TEL: 022-752-2084
Eメール: koshimura*irides.tohoku.ac.jp(越村)(*を@に置き換えてください)
mas*irides.tohoku.ac.jp(マス)(*を@に置き換えてください)

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