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電池材料の酸素脱離現象を解明 次世代型蓄電池への応用に期待

【本学研究者情報】

〇多元物質科学研究所 准教授 中村崇司
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 電池の異常発熱の原因となる、酸化物蓄電材料からの「酸素脱離」のメカニズムを解明しました。
  • 本研究で得られた知見をもとに、電池の安全性向上に向けた材料設計指針を提案しました。
  • 様々な電池材料に適用できる研究成果であり、優れた電池特性とロバスト性を両立する次世代型蓄電池の発展にも貢献するものと期待されます。

【概要】

蓄電池内部でのガス発生や異常発熱を回避することは、電池の安全性を左右する重要な課題です。これらの現象は電池を構成する酸化物正極材料から酸素が抜けて電解液等と反応することが原因であると考えられています。

東北大学多元物質科学研究所 雨澤浩史教授、中村崇司准教授、木村勇太助教、高輝度光科学研究センター 為則雄祐主席研究員、鶴田一樹研究員らの共同研究グループは、リチウムイオン電池に用いられる酸化物正極材料をターゲットとして、酸化物正極材料からの酸素脱離現象を詳細に評価し、材料中の酸素を不安定化する要因を明らかにしました。

本研究で用いた評価手法や得られた知見は次世代蓄電池に利用される酸化物蓄電材料にも適用できるものであり、次世代型エネルギー貯蔵技術の発展を支える基礎学理になることが期待されます。

本成果は2021年6月23日に、Advanced Energy Materials誌にオンラインで公開されました。

図1. (a)クーロン滴定法の実験装置模式図。(b) クーロン滴定により評価したLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2の酸素脱離挙動。約5 mol%もの酸素が格子から脱離しても、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2は分解しないことを実験的に示した。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
担当:中村崇司
電話:022-217-5341
E-mail:takashi.nakamura.e3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所 広報情報室
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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