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新種誕生間近か?!ゲノム研究が明らかにした日本産アワビの多様性

【本学研究者情報】

〇大学院農学研究科 教授 池田実
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 日本産のアワビが種分化(注1)しつつあることをゲノム解析によって示した。
  • 生息水深の違いなどの生態的な要因が、海産無脊椎動物の種分化をスタートさせる。
  • 海産無脊椎動物における種分化の仕組みを解明することにつながり、日本産アワビの保全管理についても重要な指針を提示するものである。

【概要】

高級な水産物である大型アワビ。日本ではエゾアワビとクロアワビ、マダカアワビ、メガイアワビが漁獲されています。これらの種は、北アメリカ沿岸に生息していた祖先種が日本列島沿岸に分布拡大することで最近に誕生したと考えられており、遺伝的に非常に近い関係にあるものの、自然界において独自の形態的・生態的特徴を有しています。その一方で、全ての種は実験室下では交配させることができることから、種分化が完了していない可能性がこれまで指摘されていました。本研究は、日本産アワビのゲノム解析を行い、これらの種が交雑を伴いながら、今まさに種分化しようとしていることを明らかにしました。本研究の成果は、海産無脊椎動物における新種誕生のメカニズムの解明へとつながり、また、日本産アワビの保全管理を行う上で重要な情報となります。

図1 日本産アワビ3種の形態的・生態的特徴
エゾアワビとクロアワビは亜種の関係にある。地図上の矢印はエゾアワビとクロアワビの境界域を示す。

【用語解説】

(注1)種分化
一つの生物種から、別の新しい種が生まれること。

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問い合わせ先

東北大学 大学院農学研究科 総務係
TEL:022-757-4005
E-mail:agr-syom*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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