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言葉を処理するAIは人のように「読み滞る」か 高性能なAIと人の認知の間に乖離を確認

【本学研究者情報】

〇情報科学研究科 システム情報科学専攻 自然言語処理学分野 教授 乾健太郎
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • AIの言語処理と人の読み活動 (読み時間など) が似た傾向を示すかという観点から、AIの認知的な妥当性が分析されてきた。
  • AIの言語処理の認知的な妥当性については、英語を対象とした研究がほとんどであり、言語普遍的な知見が得られているのか明らかでなかった。
  • 言語処理モデルの認知的妥当性とその工学的な性能の間に単調な関係が成り立つという報告が、英語とは異なる言語で必ずしも成り立たないことを示し、言語普遍的な知見が得られていないことを指摘した。
  • 言語間での結果の乖離について一つの理論的な解釈を与えた。

【概要】

人が言語を理解する際にどのような処理が行われているか、その計算メカニズムは未だ謎に包まれています。近年、言葉を処理するAIの技術を活用し、人の言語処理について洞察を得る試みがなされてきました (図1)。しかしながら、そのような研究のほとんどが英語を対象にしており、これまで得られてきた知見の言語普遍的な一般性は不明でした。

東北大学大学院情報科学研究科の栗林樹生研究員 (博士後期課程、日本学術振興会特別研究員)、乾健太郎教授、東京大学の大関洋平講師、国立国語研究所の浅原正幸教授らの研究グループは、AIの認知的妥当性について日本語と英語を対象とした実験を行い、既存研究で報告されていた知見が言語普遍的な一般性を欠く可能性を指摘しました。特に近年、言語を扱うAIの工学的性能は飛躍的に向上し続けており、認知科学的な視点から、この発展が何を意味するのかという学際的な問いに対して示唆を与えている点で意義のある成果と言えます。本研究成果は、自然言語処理分野内で最もインパクトの大きい査読付き国際会議である Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics (ACL2021) に採択され、8月4日に発表されました。

図 1: 人の読み活動とAIのふるまいの比較

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究内容に関すること>
大学院情報科学研究科
教授 乾健太郎
電話:022-795-7091
E-mail:inui*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<広報に関すること>
大学院情報科学研究科
広報室 佐藤みどり
電話:022-795-4529
E-mail:koho*is.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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