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大地震によって誘発される火山噴火 火山噴火が誘発されるメカニズムと噴火発生頻度を提示

【本学研究者情報】

理学研究科地球物理学専攻 教授 西村太志
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 地震と火山噴火について、信頼性の高い世界規模のデータベースを解析し、大地震による火山噴火の誘発メカニズムを明らかにした。
  • 大地震発生の応力解放によって膨張を受ける火山では、マグマ内の気泡成長などによりマグマ上昇が促され、噴火が発生しやすくなることを示した。
  • 誘発メカニズムの一つとして考えられていた強震動は、それだけでは火山噴火を誘発するとは言えないことを明らかにした。
  • 0.5 μ(マイクロ、マイクロは10の-6乗) strain以上の膨張場となる火山では、大地震の発生から10年ほどの間は火山噴火の発生頻度が2-3倍高まることを示した。
  • 大地震が発生した際には周辺火山の歪み場を計算することで、誘発される火山噴火に備えることができる。

【概要】

大地震が発生すると火山噴火が誘発されることはよく知られていますが、その発生メカニズムは不明でした。東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻西村太志教授は、地震と火山噴火について、信頼性の高い世界規模のデータベースを解析することにより、火山噴火が誘発されるのは、大地震の応力解放により0.5μ strain以上の膨張場となる火山であること、噴火の発生頻度は大地震発生後10年ほどの間、2-3倍高まることを世界で初めて示しました。この解析結果は、大地震が発生した際に火山体が受ける歪み場を計算することにより噴火が誘発される可能性のある火山を把握し、火山災害の発生に備えることができることを示しています。

本研究成果は、2021年8月26日に、Scientific Reportsに掲載されました。

図1.大地震の発生による静的応力場。赤青色のコンターは静的歪み量(μのオーダ)で、赤色は膨張場、青色は収縮場を示す。赤と白からなる丸印は震源球で、地震のメカニズム解を示す。黄色三角の印は活動的火山、茶色三角は地震後に噴火した火山を示す。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
理学研究科 地球物理学専攻
教授 西村太志(にしむらたけし)
電話:022-795-6531
E-mail:takeshi.nishimura.d2*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
理学研究科 広報・アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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