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分子の動きを捉える顕微鏡素子を熱延伸法で開発 ―量産化による生体内分子イメージングの実用化に期待―

【本学研究者情報】

〇環境科学研究科 博士後期課程 岩間智紀
研究室ウェブサイト

〇環境科学研究科 准教授 井上久美
研究室ウェブサイト

〇学際科学フロンティア研究所 助教 郭 媛元
研究者情報

【発表のポイント】

  • 新原理の分子イメージング技術「バイポーラ電気化学顕微鏡」のイメージング素子を熱延伸法によって形成することに成功した。量産化につながる成果であり、本顕微鏡の普及に期待。
  • 熱延伸法で素子の先端をすぼめることに成功し、光学限界を超え得る「拡大イメージング」の原理実証に成功。
  • 素子の量産化によって生命科学研究への実装の可能性が広がった上、超高解像度分子イメージングの可能性を示した。生命科学研究の新たなツールとして普及することが期待できる。

【概要】

生体分子を可視化する顕微鏡技術は生命現象の理解を可能にし、疾患メカニズムの解明や治療法の開発に貢献します。近年開発されている「バイポーラ電気化学顕微鏡(BEM)」は、高密度な電極基板と光シグナルによって分子濃度分布を高解像度で可視化することが可能です。しかし歴史の浅いこの顕微鏡の電極基板を安定して量産する方法は確立されておらず、基礎研究や実用化のボトルネックとなっていました。さらに原理上の解像度は「光の回折限界」(光を区別して観察することのできる限界)が上限となる課題がありました。

東北大学COI東北拠点の岩間智紀(東北大学大学院環境科学研究科)・郭媛元(東北大学学際科学フロンティア研究所)・井上久美(東北大学大学院環境科学研究科・山梨大学工学部)らは、熱可塑性材料に熱と張力を加えて任意の断面デザインのファイバーを量産する「熱延伸法」により、BEM電極素子の量産化に世界で初めて成功しました。さらに同手法により先端がすぼまった形状のテーパードBEM電極素子の作製に成功し、小さな領域を大きく拡大された光イメージとして可視化する「拡大イメージング」 の原理実証に世界で初めて成功しました。

BEMの実用化や超光学限界分子イメージングに繋がる本研究成果は2021年11月4日に「Advanced Materials Technologies」誌に掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(本研究に関すること)
東北大学大学院環境科学研究科
准教授 井上 久美
E-mail kumi.inoue.b3*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学学際科学フロンティア研究所
助教 郭 媛元
電話 022-795-5768
E-mail yyuanguo*fris.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道担当)
産学連携機構 イノベーション戦略推進センター 事務支援室
電話 022-752-2187
E-mail promo-innov-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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