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夜間の気管支喘息症状悪化へのメラトニンの関与を解明 夜間喘息症状を改善する治療法の開発に期待

【本学研究者情報】

〇大学院歯学研究科 教授 水田健太郎
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 夜間に気管支喘息の症状が悪化するメカニズムはよくわかっておらず、既存の治療薬も効きにくいと考えられている。
  • 気管平滑筋では、夜間に血中濃度が増加する概日リズム形成ホルモン「メラトニン」の受容体であるMT2受容体が発現しており、それによって気管平滑筋の収縮が促進されていることを確認した。
  • 夜間の気管支喘息症状を改善する新たな治療法の開発につながることが期待される。

【概要】

喘息患者はしばしば夜間に喘息症状が悪化しますが、そのメカニズムは十分に解明されていません。

東北大学大学院歯学研究科歯科口腔麻酔学分野の水田健太郎教授、佐々木晴香同大学院博士課程学生、米国コロンビア大学医学部麻酔科学講座のCharles W. Emala教授らの研究グループは、夜間に血中濃度が最大となる概日リズム形成ホルモンである「メラトニン」に注目し、気管支喘息症状との関連を調べました。その結果、メラトニンが、気管平滑筋に存在するメラトニン受容体MT2に作用して気管平滑筋の収縮を増強させること、また喘息治療の第一選択薬であるアドレナリンβ2刺激薬の気管支拡張作用を弱めることを明らかにしました。本研究成果は、メラトニンが気管支喘息症状の増悪に関与することを示唆するものです。

本研究成果は、2021年11月16日に米国生理学会が発行する「American Journal of Physiology Lung Cellular and Molecular Physiology」電子版に掲載されました。

図 メラトニンが気管支喘息症状を悪化させるしくみ
メラトニンは夜間に血中濃度が最大となる概日リズム形成ホルモンである。メラトニンを気管平滑筋に投与すると、メラトニン受容体MT2を介して気管平滑筋の収縮を増強させるだけでなく、アドレナリンβ2刺激薬の気管支拡張作用も弱める。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
歯科口腔麻酔学分野
教授 水田 健太郎(みずた けんたろう)
電話: 022-717-8401
E-mail: kentaro.mizuta.e6*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話: 022-717-8260
E-mail: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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