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複雑な表面構造を詳細に決定することに成功 厚さ1ナノメートルの全表面構造を大量の電子回折パターンで決定

【本学研究者情報】

〇国際放射光イノベーションスマート研究センター (兼)多元物質科学研究所 教授 虻川匡司
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • ナノテクノロジーにおける微細化に伴い重要になっている結晶の表面構造を精密かつ迅速に決定することに成功。
  • 多数の方向から数千枚の電子回折注1パターンを計測する独自の手法で、これまで誰も決定できなかった表面構造を十分な深さまで完全に解明した。
  • 本手法により迅速な表面構造解析が現実的な時間で可能になり、表面構造を含めたナノテクノロジーの発展が期待される。

【概要】

半導体ナノテクノロジーにおいて重要なシリコン結晶注2は、複雑な表面構造を示すことが知られており、これまでは、複雑な表面構造を決定するために、様々な手法により長い年月をかけた研究・解析が必要でした。東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの虻川匡司教授(多元物質科学研究所兼務)らの研究グループ、その複雑な表面構造を詳細に迅速に決定することに成功しました。本研究では、独自に開発した数千枚の電子回折パターンを短時間で測定する方法で、表面から5原子層程度の厚さ1ナノメートル注3の領域の原子配列を三次元的に精密に決定することに世界で初めて成功しました。

本研究成果は、12月8日にPhysical Review Research誌に掲載されました。

図 (上左)実験模式図、(上右)多数の回折パターンから構築したデータ、(下)決定された表面構造

【用語解説】

注1.電子回折
エネルギーのそろった電子を結晶に入射したときに、周期的に配列した原子に散乱されて生じる回折現象を使って原子の配列を解析する手法。

注2.シリコン結晶
原子番号14のケイ素の結晶。ほとんどの大規模集積回路の基板として使用されている。

注3.ナノメートル
長さの単位。1ナノメートルは、1メートルの10億分の1。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学
国際放射光イノベーション・スマート研究センター (兼)多元物質科学研究所
教授 虻川匡司
電話:022-217-5364
E-mail:abukawa*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
広報情報室
電話:022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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