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高分子を用いた神経模倣素子の動作原理を解明 - 神経のような動きをする電子部品の設計に向けた「地図」をつくる -

【本学研究者情報】

〇大学院工学研究科 応用化学専攻 助教 山本俊介
研究者ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 神経の動作を模倣した電子素子(以下、「神経模倣素子(注1」と呼ぶ)の応答速度の決定要因を明らかにした

  • 上記の知見に基づき、神経模倣動作をモデル化する方法を見出した

  • この成果は脳型コンピュータへの応用などの波及効果が期待される

【概要】

 脳のすぐれた情報処理能力を人工的に実現することを目的とした「ニューロコンピューティング」の研究が、ソフトウェア、ハードウェアの両面から盛んに行われています。ハードウェアの面では、脳の神経回路を構成するシナプスの動作を模倣した「神経模倣素子」の研究が注目を集めています。東北大学の山本俊介助教(大学院工学研究科応用化学専攻)と英国ケンブリッジ大学のGeorge G. Malliaras教授らは、導電性高分子を用いた神経模倣素子の高性能化と動作原理解明を目指して研究を行いました。その結果、神経模倣素子の応答は素子内のイオンの動きに支配されることが分かりました。これは神経模倣素子の設計方針の構築に寄与するだけでなく、今なお不明な点が多い動作原理の解明にも役立つ成果です。本研究の成果は、脳の動作を模倣した新型コンピュータの応用研究につながることが期待されます。

本研究は本学が推進する「若手リーダー研究者海外派遣プログラム」を活用した在外研究(2018~2019年度)による成果です。

本成果は2022年1月13日(ドイツ時間)にドイツWILEY-VCHの科学誌「Advanced Electronic Materials」誌でオンライン公開されました。

図1 今回の研究で用いた電気化学トランジスタ素子の写真。

【用語解説】

注1.神経模倣素子
神経細胞に類似した動作をする電子素子。入力側への信号入力頻度や数によって出力側への信号伝達効率が変化する特徴を持ちます。特定の素子構造、方式にとらわれずに神経模倣動作するものはこのカテゴリに入るため、本研究の方式の他にも、例えばスピントロニクスを用いた実現を目指す研究も行われています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院工学研究科
応用化学専攻 機能高分子化学分野
助教 山本 俊介
電話 022-795-7229
E-mail syama*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院工学研究科
情報広報室 担当:沼澤 みどり
電話 022-795-5898
E-mail eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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