本文へ
ここから本文です

銀河中心で起こるブラックホールのビリヤード現象 高離心軌道ブラックホール連星合体を作り出す巨大ガス円盤

【本学研究者情報】

東北大学大学院理学研究科 天文学専攻
研究員 田川寛通(たがわひろみち)
専攻ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 最近報告された高い離心軌道でのブラックホール連星(注)の合体が起こる環境として、超巨大ブラックホール周りの巨大ガス円盤内が有力であることを示した
  • ブラックホール連星合体の環境を強く示唆するイベントは初めて
  • 今後の重力波観測により宇宙進化を解明する方向性に影響を及ぼす研究結果

【概要】

ブラックホール連星の合体は、宇宙進化の解明において最も注目されている現象の一つです。Niels Bohr研究所のSamsing助教、東北大学大学院理学研究科田川寛通研究員らの研究グループは、重力波により観測された最も重いブラックホール合体の連星が非円軌道(高い離心軌道)にて合体している理由の説明に初めて成功しました。このような現象は、遠い銀河の中心に存在する超巨大ブラックホール周りの巨大ガス円盤内での、無秩序な三体のブラックホール同士の相互作用によって説明可能であることを示しました。ブラックホールの合体環境が強く示唆される重力波イベントは初めてであり、今後の重力波天文学の進展に大きな影響を与える発見となります。

本研究成果は、2022年3月10日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature」のオンライン速報版で公開されました。

図1. 超巨大ブラックホール周りの巨大ガス円盤内に存在するブラックホールの分布の概略図。©︎Johan Samsing

【用語解説】

(注)ブラックホール連星
重力的に束縛されたブラックホールの対(ペア)。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学大学院理学研究科天文学専攻
研究員 田川寛通(たがわ ひろみち)
E-mail:htagawa*astr.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ