本文へ
ここから本文です

COVID-19の情報を得るために利用した情報源によって予防行動の遵守が異なっていた

【本学研究者情報】

〇大学院歯学研究科 助教 草間太郎
ウェブサイト

【発表のポイント】

  • COVID-19に対する4種類の予防行動(「マスク着用」・「部屋の換気」・「ソーシャルディスタンス」・「人混みを避ける」)の遵守と人物・機関・メディアといった情報源の利用との関連を調査した。
  • 「医療従事者」・「専門家」・「政府・自治体」・「Twitter」・「ネットニュース」・「テレビ(ニュース)」から情報を得ていた人では、そうでない人と比較して、4種類中2種類以上の予防行動で遵守している割合が高かった(図1)。
  • 利用している情報源によって、予防行動への遵守の割合が異なっていたが、テレビやSNS、ネットニュースなどのメディアを通じた適切な情報提供はCOVID-19予防において重要な役割を果たしていると考えられる。

【概要】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下にあって、人々の予防行動が適切さを欠くのは誤った情報のせいなのではという危惧がありました。東北大学大学院歯学研究科の草間太郎助教らのグループは、 COVID-19に関する情報源の種類と人々の予防行動との関連を調べました。

Web調査により、20~79歳までの男女18,151人に対して2020年8~9月と2021年2月の2回、調査を実施しました。COVID-19の予防行動として、「マスク着用」・「部屋の換気」・「ソーシャルディスタンス」・「人混みを避ける」の遵守の状況、COVID-19に関する情報を得るために利用している情報源として、人物・機関・メディアなどの情報源20種類の利用状況を調査しました。2020年時点での各予防行動を遵守している人の割合は、マスク着用:86.2%、部屋の換気:46.9%、ソーシャルディスタンス:45.4%、人混みを避ける:62.6%でした。4種類の予防行動中2種類以上で遵守割合が高いことと関連していた情報源は、「医療従事者」・「専門家」・「政府・自治体」・「Twitter」・「ネットニュース」・「テレビ(ニュース)」でした。すべての予防行動に関連している情報源はありませんでしたが、メディア等を通じた情報提供が予防行動の遵守に貢献している可能性が示唆されました。

本研究成果は2022年3月13日に国際医学雑誌Healthcareに電子版が掲載されました。

図1.各情報源の利用の有無と予防行動遵守割合との関連(n=18,151)
※解析結果のうち、統計学的に有意な変数の値のみ抜粋 (p<0.05)。
個人の特性と他の情報源の利用を考慮した分析の結果、多くの情報源でCOVID-19の予防行動の遵守との正の関連が観察された。特に「医療従事者」・「専門家」・「政府・自治体」・「Twitter」・「ネットニュース」・「テレビ(ニュース)」は複数の予防行動の遵守との関連がみられた。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
歯学イノベーションリエゾンセンター
地域展開部門 
助教 草間太郎(くさま たろう)
E-mail:taro.kusama.a2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話: 022-717-8260
E-mail: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

sdgs_logo

sdgs03

東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています

このページの先頭へ