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塩分による高血圧が骨粗鬆症を誘発するメカニズムを解明 〜骨粗鬆症予防法の発展に貢献〜

【本学研究者情報】

〇大学院歯学研究科 准教授 北浦英樹
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 塩分摂取によって高血圧になるマウスにおいて、骨を吸収する破骨細胞が増加し骨粗鬆症を引き起こすことを発見しました。
  • 高血圧誘導時には、炎症性サイトカインであるTNF-α*1の血中濃度が増加することを発見しました。
  • 血圧上昇時に誘導されるTNF-αが骨を吸収する細胞である破骨細胞の形成に必要不可欠なRANKL*2を増加することが破骨細胞増加のメカニズムであることを解明しました。
  • 塩分による高血圧時に誘導される骨粗鬆症の抑制はTNF-αを阻害することで可能となることが示唆されます。

【概要】

高血圧は、生活習慣病の一つとされ、通院者が最も多い疾患と報告されています。また、高血圧が糖尿病を悪化させることや腎障害、狭心症、眼底網膜病変、動脈硬化など、様々な合併症を起こすことも報告されています。東北大学大学院歯学研究科顎口腔矯正学分野 Adya Pramusita大学院生、北浦英樹准教授および溝口到教授の研究グループは、塩分摂取により高血圧が誘導されるマウスモデルを作成し、高血圧誘導時に骨粗鬆症が誘発されることを発見しました。さらにそのメカニズムは、高血圧誘導時、炎症を増大させることが知られているTNF-αが増加し、TNF-αが骨を吸収する細胞である破骨細胞の形成に必要不可欠なRANKL*2を増加することで破骨細胞が増加し、骨の吸収が増加することを解明しました。本研究成果により骨粗鬆症の予防および治療法の開発が期待できます。

この研究成果は、2022年4月4日にFrontiers in Cell and Developmental Biologyに掲載されました。

【用語解説】

*1 TNF-α: tumor necrosis factor-α、腫瘍壊死因子 炎症を誘発するサイトカインの代表的なもので骨を吸収する破骨細胞形成を誘導することも報告されている。

*2 RANKL: Receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligand 破骨細胞形成に必須のサイトカイン。これが増加すると破骨細胞が形成され、骨の吸収が増加することが知られている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
顎口腔矯正学分野
准教授 北浦英樹
電話: 022-717-8374
E-mail: hideki.kitaura.b4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
電話: 022-717-8260
E-mail: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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