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東北大学理学研究科が「次元融合ナノ物質科学寄附講座」を開設 株式会社深松組の寄附により寄附講座を開設

【本学研究者情報】

〇大学院理学研究科 教授 寺田眞浩
大学院理学研究科 准教授 權垠相
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 次元融合ナノ物質科学分野の国際的な教育・研究のハブ構築を目的とした寄附講座を開設
  • 学際研究重点拠点「新奇ナノカーボン誘導分子系基盤研究開発センター」で得た研究成果を基盤としている

【概要】

東北大学大学院理学研究科(研究科長:寺田 眞浩)は、株式会社 深松組(代表取締役社長:深松努)の寄附により「次元融合ナノ物質科学」に関する寄附講座を令和3年11月1日に開設しました。深松組はかねてから環境問題に強い関心を持ち、基礎科学の発展こそ環境問題の根源的な課題解決に至るとの考えのもと、基礎科学を推進する目的で東北大学大学院理学研究科に寄附をいただいたものです。

平成28年度から令和3年度まで東北大学学際研究重点拠点「新奇ナノカーボン誘導分子系基盤研究開発センター」では、本研究科が中心部局となり、次世代機能性材料の有力候補であるフラーレン注1)や原子内包フラーレン注2)などをはじめとするナノカーボンに関する研究を推進してきました。そこで得た成果を基盤とし、本寄附講座では本学での基礎研究の蓄積から生まれた金属を内包したC60フラーレン注3)の初めての例であるリチウムイオン内包C60フラーレンを中心にその基礎と応用研究を行います。

具体的には、①ボトムアップ型ナノテクノロジーを基盤とした次元融合新奇ナノ物質を創成し、②超スマート社会における競争力向上に向けた基盤技術の強化として新奇ナノ構造材料や新機能材料などの分野の差別化につながる素材・ナノテクロジー研究を先導し、③革新的なエネルギーデバイスや分子センサー、ナノメディシン等への応用研究を行います。この研究は、将来的には現在の社会的課題となっているシリコン太陽電池の廃棄問題等環境問題などの課題解決にもつながるものです。

発電システムへの応用
ACIE 2018 (VIP), JACS 2019, Chem. Commun. 2019 (Back Cover)

【用語解説】

注1)フラーレン
複数の炭素原子のみから構成される閉殻空洞状のクラスターの総称である。サッカーボールのような形状をした炭素60個から成る球状のC60(シーロクジュウ)フラーレンが代表的な物質である。これは、1975年に豊橋科学技術大学の大澤映二によってその存在が理論予測され、1985年にハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールの3名により発見されて1996年には発見した3名がノーベル化学賞を受賞した。

注2)原子内包フラーレン
フラーレンの内部空間に原子を含む物質の総称。

注3)金属内包C60フラーレン
炭素60個から成るフラーレンの内部空間に金属を含む物質。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<講座に関すること>
東北大学大学院理学研究科
担当:教授 寺田 眞浩、准教授 權 垠相
(事務担当:総務課研究支援係)
電話:022-795-3798
E-mail: sci-kenkyu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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