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3Dプリンタを活用した 見えない地熱資源の流れを推定する手法の開発と検証 持続可能な地熱開発のための能動的水循環システム構築に向けて

【本学研究者情報】

〇流体科学研究所 准教授 鈴木杏奈
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 地熱開発で地下に戻した水の流路の表面積を推定する方法を開発。
  • 3Dプリンタで模擬地下構造を作製し、推定手法を適用した結果、誤差の範囲内で推定成功。
  • 実際のフィールドデータに対しても、他の測定値や数値計算の結果と調和的。
  • 地熱発電所の電力生産予測、持続的な開発戦略に貢献。

【概要】

地熱開発では、発電に利用した水を地下に戻して、地下の熱で温めた熱水・蒸気を再び発電に利用するという能動的な水循環を作り出すことができれば、持続的な開発を進められると考えられています。しかし、冷めた水を戻すことで地下が冷えてしまい、蒸気や熱水の生産自体に影響を与えてしまうのではと恐れて積極的に開発に導入されてきませんでした。

東北大学流体科学研究所の鈴木杏奈准教授、同大学院工学研究科橋田俊之教授ら、米コーネル大学Robert Frederick Smith記念化学生体分子工学部のAdam J. Hawkins博士研究員は共同で、温度の計測結果を利用することで、地下に戻した水の再加熱に大きく影響する流路表面積を推定する手法を開発しました。さらに3Dプリンタを用いた流動実験を通して、推定手法の検証を行いました。その結果、3Dプリンタで作製した模擬地下構造の推定も誤差の範囲内であり、また、フィールドへ適用した場合も、他の測定値や数値計算の結果と整合的な結果を示しました。本研究成果によって、地熱発電所の電力生産予測、持続的な開発戦略に貢献できると期待できます。

この研究成果は、2022年6月13日、世界最大規模の学術出版社Elsevierが発行する地熱学の学術誌「Geothermics」に掲載されました。

図1:地熱開発における能動的な水循環と温度を用いた流路表面積推定手法。(a)概念図、(b)3Dプリンタを用いて作製したき裂構造、(c)流動実験結果へのカーブフィッティング。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

【研究についてのお問い合わせ先】
東北大学流体科学研究所 
担当 准教授 鈴木杏奈
電話 022-217-5284
E-mail anna.suzuki*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

【報道についてのお問い合わせ先】
東北大学流体科学研究所 広報戦略室
電話 022-217-5873
E-mail ifs-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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