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O₂タンク内蔵!ウォータープルーフ仕様のバイオ発電パッチを開発

【本学研究者情報】

〇大学院工学研究科 ファインメカニクス専攻
教授 西澤松彦
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 糖(グルコース)と酸素ガス(O2)から発電するバイオ発電パッチが水中でも駆動
  • O2還元カソード電極にO2透過性の防水フィルムを一体化し、接合部にO2タンクとして働く微小スペース(~10 µL/cm2)を形成
  • 水中で10倍以上長く発電を維持し、タンクのO2が尽きても、水から取り出せば数10秒で再充填され発電性能が回復

【概要】

 皮膚へのマイクロ通電には、傷の治癒促進や鎮痛および薬剤浸透(美容・医療)などの効果があります。東北大学大学院工学研究科および高等研究機構新領域創成部の西澤松彦教授のグループは、糖(グルコース)とO2から発電する酵素電池を搭載した、柔らかくて安全なオール有機物のバイオ発電パッチの開発に成功し[1]、製品化に向けて、美容モニタリングや治験などを進めています。

 今回、バイオ発電パッチのO2還元カソードに微小スペース(O2タンク)を形成し、水中での発電維持を可能にしました。具体的には、O2還元カソードにシリコーンゴム(PDMS)の薄膜と電極(炭素繊維布)を接点接着で一体化し、皮膚貼付時の変位に追従する機械強度と、微小スペースのアレイ形成を両立しました。微小スペースがO2タンク(~10 µL/cm2)として働き、水中での発電量が10倍以上に増大しました。タンクのO2が尽きても、水から取り出せば数10秒でO2が再充填され発電性能が回復します。この新構造のカソードの実装によって、水仕事や入浴の最中にもバイオ発電パッチを継続して使用可能になると期待できます。

本成果は、2022年8月21日に科学誌Journal of Power Sourcesで公開されました。

ウォータープルーフ仕様のバイオ発電パッチ:O2還元カソードに形成した微小スペースから供給されるO2を使って水中でも発電を維持

詳細(プレスリリース本文)PDF

[1]東北大学プレスリリース 2020年1月29日
『オール有機物のバイオ発電スキンパッチが完成』

問い合わせ先

< 研究に関すること >
東北大学 大学院工学研究科
ファインメカニクス専攻
助教 照月 大悟
TEL:022-795-3586
E-mail: daigo.terutsuki.a7*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

< 報道に関すること >
東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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