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咳の流量2倍で約100倍の微小なエアロゾルが発生!? ~咳による体内のエアロゾル発生をコンピュータシミュレーションで再現~

【本学研究者情報】

〇流体科学研究所 助教 安西眸
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 計測が困難だった体内でのエアロゾル発生を、コンピュータシミュレーションで再現しました。
  • これにより、咳によって発生するエアロゾルの個数やサイズを定量的に算出することが可能となりました。
  • 咳の流量が2倍になると、約100倍の個数の微小なエアロゾルが発生する可能性が示唆されました。

【概要】

咳やくしゃみを含む呼吸活動によって、体内の粘膜からナノ―ミリスケールにわたるエアロゾルが発生し、大気中に放出されます。しかしながら、この体内でのエアロゾル発生は計測することが困難で、これまでは口から放出された後のエアロゾルを計測するしかありませんでした。

この課題に対して、東北大学流体科学研究所の安西眸助教・高奈秀匡教授・太田信教授、医学系研究科の赤池孝章教授・松永哲郎助教の研究グループは、気道粘膜―エアロゾル―呼気の連成解析によるエアロゾル生成シミュレーション手法を構築しました。これにより、生体内で発生するエアロゾルの個数やサイズを定量的に算出することが可能となりました。さらに咳の流量を2倍にしてシミュレーションを行ったところ、約100倍の個数の微小なエアロゾルが発生する可能性が示唆されました。今後、患者個人個人の気道形状や、様々な呼吸条件を与えてシミュレーションを行い、エアロゾルの発生量・粒径分布を計算することで、より詳細な感染リスク評価の実現が期待されます。

本研究成果は2022年9月1日付けでオンライン学術誌Scientific Reportsにて公開されました。

図:咳をした際の下気道壁面からの飛沫発生

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学流体科学研究所
生体流動ダイナミクス研究分野
助教 安西 眸(あんざい ひとみ)
電話 022-217-5224
E-mail hitomi.anzai.b5*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学流体科学研究所
広報戦略室
電話 022-217-5873
E-mail 
ifs-koho*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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