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Liイオン電池より大容量で電圧を大幅に高めたレアメタルフリー空気電池を開発 補聴器などに限られた用途が電気自動車やドローンに拡大する可能性示す

【本学研究者情報】

〇材料科学高等研究所 教授 藪浩
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • 白金触媒よりも高い重量活性を示す独自のレアメタルフリー空気電池用正極触媒を開発
  • 開発した触媒は白金触媒が劣化する強塩酸環境下でも高い触媒活性を維持できることを発見
  • 正極側に酸性電解質、負極側にアルカリ電解質を配置したタンデムセルにより、2 V以上の電圧(最大2.25 V)を発生させることに初めて成功

【概要】

亜鉛空気電池はその容量の大きさから、次世代エネルギーデバイスとして期待されています。しかしながら、亜鉛空気電池は電圧が1.4 V程度で、3.7 Vを発生するリチウムイオン電池などと比べて低く出力も小さいため、低出力で長時間駆動する補聴器など、限られた用途にしか用いられてきませんでした。

東北大学材料科学高等研究所の藪浩教授(主任研究者、同研究所水素科学GXオープンイノベーションセンター副センター長、研究当時同大学多元物質科学研究所兼任)ら、および東北大学発ベンチャーであるAZUL Energy株式会社(仙台市、伊藤晃寿社長)からなる研究グループは、独自に開発した正極触媒と酸性・アルカリ性電解質をタンデムに配置したセルを用いることにより、開放電圧が2 V以上で高い出力を有する亜鉛空気電池を実現できることを見出しました。本成果は電気自動車やドローンなどに金属空気電池を適用する際のボトルネックとなっていた電圧や出力不足の問題を解決する端緒を開く研究成果であると考えられます。

本研究成果は、現地時間の2023年4月24日に米国物理学会出版の新しい科学誌「APL Energy」のオンライン速報版に掲載され、本誌のFeatured Articleにも選ばれました。

図1.本研究で開発したAZUL触媒電極と酸性・アルカリ性電解質タンデム型亜鉛空気電池セルの模式図、および出力・放電特性。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究に関すること>
東北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
教授 藪 浩(やぶ ひろし)
022-217-5996
E-mail:hiroshi.yabu.d5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
広報戦略室
022-217-6146
E-mail:aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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