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量子技術のビジネス活用に向け、産学連携の実証実験を実施 ~カーシェアリング事業の実データを活用し、約26パーセントの効率改善を導出~

【本学研究者情報】

〇サイバーサイエンスセンター 准教授 小松一彦
研究室ウェブサイト

【概要】

住友商事株式会社(以下、住友商事)と東北大学サイバーサイエンスセンターおよび情報科学研究科(以下、東北大学)は共同で、量子技術のビジネスへの一層の活用に向けて、カーシェアリング事業の実データを活用した実証実験(以下、本実証実験)を行いました。その結果、車両の効率的な配置により約26パーセントの走行距離の効率改善が可能であり、量子技術がサービス事業の改善に有用であることを示すことができました。

量子技術は従来のコンピューターに比べて高速かつ複雑な条件情報の並列処理が可能で、事業課題に対する効率的かつ速やかに解を導くことに繋がるとして、活用に期待が高まっています。住友商事では量子技術による社会変革を目指して事業への応用を進めており、その一環として、量子技術の研究を行う東北大学のチームと産学連携で、カーシェアリング事業の配車作業の最適化に取り組んだものです。

カーシェアリング事業では、充電や利用状況が異なる複数の車両を回収し、利用の多い地域を優先した再配置とユーザーのサービス利用の維持を両立する必要があります。しかし、車両の配置作業は作業員が数人単位で取り組むため、車両と人員の効率的な運用が課題でした。車両の状況やサービス利用状況、作業員の状況といった多様な要素がある中、住友商事は、本実証実験において、乗り捨て型のEVカーシェアリング事業で得たデータ(一日に各車両がたどった経路情報や時間、駐車場の位置、EV充電器の位置情報)を提供し、量子技術を用いた最適な配車作業のルートを導くことに取り組みました。その過程では、住友商事社内の量子技術の専門チームが、事業で培った知見に基づいて、東北大学が量子技術を用いて分析する際の計算式の構築の支援も行っています。本実証実験の結果、走行距離を約26パーセント低減することを実現し、量子技術がサービス事業の改善に有用であることを確認することができました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学サイバーサイエンスセンター
准教授 小松一彦
TEL:022-795-7013
Email: komatsu*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学情報部デジタルサービス支援課総務係
TEL:022-795-3407
Email: cc-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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