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ペプチドのピンポイント修飾を実現 創薬や生命現象の解明への利用に期待

【本学研究者情報】

〇大学院薬学研究科 
助教 金本和也
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • ペプチドは、さまざまなタンパク質や生物活性物質を構成する構造で、創薬研究や生命現象の解明のための精密な構造修飾法が求められています。しかし、さまざまな反応性を持つアミノ酸残基が含まれるため、均一な修飾は容易ではありませんでした。
  • リシンなどの反応性の高い構造を持つペプチドであっても、N末端の1ヶ所だけにピンポイントで複数のモジュールを導入できる触媒反応の開発に成功しました。
  • 本手法によって、機能性モジュールの均一かつ効率的な導入が可能となり、新たな医薬品の探索や生命現象の解明への貢献が期待されます。

【概要】

 ペプチド構造は、さまざまなタンパク質や生物活性物質を構成しています。ペプチドを精密に構造修飾することができれば、創薬研究や生命現象の解明の進展が期待できます。しかし、ペプチドには多数の反応性官能基が存在するため、特定の位置だけを狙った均一な修飾は容易ではありませんでした。

 東北大学大学院薬学研究科の金本和也助教と、中央大学理工学部応用化学科 大学院生の町田陽佳氏は、ペプチド鎖に通常1ヶ所しか存在しないNをピンポイントに修飾する触媒反応の開発に成功しました。本手法は、リシン残基をはじめとする反応性の高いアミノ酸残基の存在下でも、N末端のみでピンポイントで反応を行うことができます。本研究成果は、ペプチド構造改変法としての創薬研究への利用や、蛍光性分子の導入によるイメージングなどにより、さまざまな生命科学研究に寄与するものと期待されます。

 本研究成果は2024年1月28日付で、科学誌 Angewandte Chemie International Edition にオンライン掲載されました。

図1. ペプチド修飾の課題: 反応点が多く均一な変換は困難

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
助教 金本和也
TEL: 022-795-6815
Email: Kazuya.kanemoto.a1*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 
総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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