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無限に広がるバーチャルリアリティ空間を狭い部屋で歩き回れる新技術を開発 〜建築や都市計画などの分野への応用に期待〜

【本学研究者情報】

〇電気通信研究所 助教 藤田和之
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • バーチャルリアリティ(VR)空間内でドアを開ける際に人の進行方向をうまく「だます」ことで、現実世界の部屋よりも広いVR空間を歩き回ることを可能にしました。
  • ドアを開ける際にドアノブの触覚を再現することも同時に実現しました。
  • 本システムはより質の高いVR体験を限られた物理スペースで実現でき、VR職業トレーニング、建築・都市計画などへの応用が期待されます。

【概要】

実際に歩行することでバーチャルリアリティ(VR)空間内を探索する「ルームスケールVR(注1」体験は、まるでその世界に入り込んだような高い没入感をもたらすことから、近年、幅広い分野での応用が期待されています。しかし、大きな物理空間を必要とすることや、触覚のフィードバックが得られないことが大きな障壁となっていました。

東北大学電気通信研究所の藤田和之助教と高嶋和毅准教授、北村喜文教授らの研究グループは、これらの制約を解消し限られた物理空間内で実現可能にするため、独自の新システム「RedirectedDoors+」を開発しました。このシステムは、VR空間内で複数のドアを連続的に開けて歩行する際に、ユーザの歩く方向を「だまし」、物理空間の壁にぶつからないようユーザを誘導するとともに、ドアノブのリアルな触覚を再現します。

VR職業トレーニング、建築・都市計画をはじめとしたVRウォークスルー体験に適用できるため、様々な分野への応用が期待されます。

本研究成果は、2024年3月11日にIEEE(米国電子情報学会)の科学誌IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphicsのオンライン速報版に掲載され、VR分野最大の国際会議である2024 IEEE Conference on Virtual Reality and 3D User Interfaces (IEEE VR 2024、 3月16〜21日、アメリカ・オーランド) で口頭発表されます。

図1. RedirectedDoorsの動作概要。ドアを開ける動作に合わせてVR空間全体を回転させることで、ユーザの進行方向を操作します。この例では、ドアを開けることでユーザの向きを左に一定角度(θredirect )だけ回転させています。

【用語解説】

注1. ルームスケールVR
VRヘッドセットを装着した状態で、現実世界の小規模空間を自由に動きまわることでVR空間内を探索することができる技術のことです。ゲーム内では遠く離れた場所に落ちているアイテムを取りにいく場合でも、その場の「歩く」「しゃがむ」「手に取る」といった動作でVR内の映像とリンクさせることができます。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学電気通信研究所
助教 藤田和之
TEL: 022-217-5543
Email: k-fujita*riec.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学電気通信研究所
総務係
TEL: 022-217-5420
Email:riec-somu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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