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東北大学発スタートアップRTi-castが民間事業者として初の津波予報業務許可を取得

【本学研究者情報】

〇災害科学国際研究所 教授 越村俊一
研究者ウェブサイト

【概要】

東北大学発スタートアップの株式会社RTi-castは,民間事業者としては初となる津波予報業務の許可を気象庁から受け,高知県および高知県沿岸の19市町に対して津波予報業務を開始します.

気象庁によると,「予報」とは「観測の成果に基づく現象の予想の発表」を意味し,「業務」とは「定時的または非定時的に反復・継続して行われる行為」をいいます.予報は国民生活や企業活動に密接に関わっていることから,技術的な裏付けのない予報が広く社会に発表された場合,その予報に基づいて行動した者に混乱や被害を与えるなど,社会の安寧を損なうおそれがあるため,気象業務法第17条第1項の規定により,気象庁以外の者が津波の予報業務を行おうとする場合は,気象庁長官の許可を受けなければならないと定められています.この度,本システムが津波予報業務の許可を得たということは,予報業務に対して技術的な裏付けがあるということを意味しています.

RTi-castが行う津波予報業務は,TsunamiCastTMによる独自の予測に基づくものです.予測には,東北大学のスーパーコンピューターAOBAを利用します.以下の情報を,地震後20〜30分を目安に,ユーザに対して配信します.

  • 最大浸水深:予想される津波浸水域と,浸水域内の最大浸水深をお知らせします.浸水深が2mを超える場所では家屋の流失の可能性が高まります(図1).
  • 浸水開始時間:地域ごとの津波の浸水が予想される時間をお知らせします(図2).
  • 水位時系列:代表的な地点の,津波による水位変化の時系列をお知らせします.津波第1波,最大波の到達時刻やその高さ,津波による海面変動の継続時間に関する情報に利用されます(図3).

RTi-castの津波予報は,高知県および高知県沿岸部の市町に対して配信されます.我が国の災害対策・対応の一義的な責任を有するのは地方自治体であり,県および各市町の津波災害対策・対応業務を支援することを目的として活用されます.

東北大学およびRTi-castによる本研究開発は,内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「スマート防災ネットワークの構築」の助成を受けて行われています.

※図2、図3については下記のプレスリリース本文をご確認ください。

図1 津波の最大浸水深の予測結果の表示例

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学災害科学国際研究所
教授 越村 俊一
TEL: 022-752-2049(災害研広報室)
Email: koshimura*irides.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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