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ゼブラフィッシュ脳遺伝子発現データベースの作製・公開 -哺乳類の脳との類似性を発見-

【本学研究者情報】

〇生命科学研究科 助教 梶山十和子
ウェブサイト

【概要】

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センターシステム分子行動学研究チームの梶山十和子研究員(研究当時、現客員研究員、現東北大学大学院生命科学研究科分子行動分野助教)、吉原良浩チームリーダー、生命機能科学研究センター発生動態研究チームの糸賀裕弥技師、大浪修一チームリーダーらの研究グループは、モデル動物のゼブラフィッシュの脳において、38種類の神経ペプチド[1]遺伝子と興奮性/抑制性ニューロンマーカー遺伝子[2]をマッピングし、遺伝子発現アトラス[3]およびデータベースとして公開しました。また、得られた発現データを基に脳の領域の分け方を提案した上、マウスの脳との類似性を解析することで、複数の脳領域でゼブラフィッシュとマウスの遺伝子発現パターンがよく似ていることを発見しました。

本研究の成果は、今後のゼブラフィッシュを使った神経科学研究の発展に貢献するだけでなく、種を超えて共通した脳機能を探索していく上で重要な手掛かりとなると期待されます。

本研究は、科学雑誌『The Journal of Comparative Neurology』オンライン版(6月4日付:日本時間6月4日)に掲載されました。

ゼブラフィッシュの脳の遺伝子をマッピングし、遺伝子発現アトラスとデータベースを構築

【用語解説】

[1] 神経ペプチド
脳のニューロンで発現するペプチド。オキシトシン、エンドルフィンなど数十種類が存在し、ニューロンから分泌され、受容体に結合することで機能する。摂食、睡眠、繁殖、行動などを調整することが知られている。

[2] 興奮性/抑制性ニューロンマーカー遺伝子
興奮性ニューロン(グルタミン酸作動性ニューロン)で発現する遺伝子と、抑制性ニューロン(GABA作動性ニューロン)で発現する遺伝子。本研究ではゼブラフィッシュに存在する4種類のvglut遺伝子(興奮性)と3種類のgad遺伝子(抑制性)を用いた。

[3] 遺伝子発現アトラス、アレンブレインアトラス
遺伝子発現アトラスはある組織においてどのような遺伝子がどこに存在するのかを広範囲にマッピングしたデータ。脳では、アレン研究所のアレンブレインアトラス(https://mouse.brain-map.org/)や理研脳神経科学研究センター脳発達分子メカニズム研究チームのマーモセットジーンアトラス(https://gene-atlas.brainminds.jp/)などが整備されている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科
助教 梶山 十和子
TEL: 022-217-6219
Email: towako.kajiyama.a2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院生命科学研究科広報室
高橋さやか
TEL: 022-217-6193
Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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