2024年 | プレスリリース・研究成果
緑茶のカテキン成分EGCGは歯周病関連細菌に対して強い抗菌効果を示す
【本学研究者情報】
〇歯学研究科口腔生化学分野 教授 髙橋信博
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- 緑茶のカテキン成分の一種であるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は歯周病関連細菌の代謝および増殖を抑制することが示されました。
- EGCGは歯周病関連細に対して菌体凝集効果を持ち、口腔内に浮遊する細菌の除去を促す可能性があります。
- EGCGは歯周病予防および良好な口腔環境維持のための新規開発に貢献できる可能性があります。
【概要】
歯周病はう蝕と並んで歯科の二大疾患と言われ、歯を失う大きな原因の1つです。その歯周病を引き起こす病因の1つとされるのがプラーク細菌です。
東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の髙橋信博教授、鷲尾純平准教授、安彦友希助教、樋口真由大学院生らの研究グループは、緑茶のカテキン成分の一種であるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)が、主要な歯周病関連 細菌であるPorphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia、Prevotella nigrescens、Fusobacterium nucleatum、Fusobacterium periodontiumの代謝を抑制することで、増殖抑制と死滅を誘導することを明らかにしました。さらに、これらの歯周病関連細菌はう蝕関連細菌であるStreptococcus mutansよりもEGCGに対する感受性が高く、低濃度のEGCGでも効果があることが分かりました。本成果は歯周病予防および良好な口腔環境維持のための新規開発に貢献できる可能性があり、さらに詳細な研究や臨床研究を通じてその実現が期待されます。
本研究成果は2024年7月31日に学術誌Archives of Oral Biologyでオンライン公開されました。
図1. カテキンの種類
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野
教授 髙橋信博
TEL: 022-717-8294
Email: OEB*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科広報室
TEL: 022-717-8260
Email: den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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