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世界的な長寿医療コンペティションXPRIZE Healthspan TOP40に入賞-健康寿命延伸のための革新的な医薬品開発に向けTOP10選出を目指す-

【本学研究者情報】

〇大学院医学系研究科分子病態治療学分野 宮田敏男教授
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】

  • XPRIZE Healthspan1は、健康寿命の延伸を目指す世界的なコンペティション。
  • 研究チームは、東北大学の宮田敏男教授らが開発したPAI-1阻害薬TM5614(注2の抗加齢作用に基づいたSenolytic drug(注3を提唱し、TOP40に入賞。
  • 今後、セミファイナル臨床試験を実施し、2026年後半にTOP10(ファイナリスト)への選出を目指す。

【概要】

東北大学大学院医学系研究科 分子病態治療学分野の宮田敏男教授、株式会社レナサイエンス、東海大学、広島大学4、ノースウェスタン大学らは共同で、健康寿命延伸を目指す世界的コンペティションXPRIZE Healthspanに参加、この度、TOP40(セミファイナリスト)に入賞しました。

XPRIZE Healthspanは、人間の老化や長寿に対する治療アプローチに革命を起こし、健康寿命を積極的に10年以上延伸することを目的とした世界的なコンペティションです。今回、世界から600以上のエントリー、200以上の書類応募があり、東北大学はTOP40に選出されました。

研究チームは、東北大学大学院医学系研究科 分子病態治療学分野の宮田敏男教授らの研究グループが長年取り組んできたPAI-1阻害薬TM5614の抗加齢作用に基づき、「老化細胞を除去し、がん化を促進する事なく老化関連疾患を抑制する新たな新規低分子医薬品」のコンセプト(Senolytic drug)を提唱し、TOP40(セミファイナリスト)に入賞しました。2025年5月12-14日に米国ニューヨークで開催されるXPRIZE Healthspanの受賞セレモニーでは、TOP40(セミファイナリスト)への入賞と賞金が授与されます。

今後、2026年3月末までに1年以内のセミファイナル臨床試験を実施します。その成績を元に、2026年後半にTOP10(ファイナリスト)が選出され、ファイナリストは最終コンペティションのため4年の臨床研究を行います。その後、ファイナリストのチームの中で優れた研究チームがグランプリとして選出され、成果に応じた賞金が授与されます。

本研究チームは、ファイナリストへの選出を目指すとともに、本コンペティションを通じ、健康寿命を延ばすための革新的な医薬品開発を推進してまいります。

東北大学大学院医学系研究科 分子病態治療学分野の宮田敏男教授

【用語解説】

注1.XPRIZE Healthspan:健康寿命を延ばすことができた研究チームに対して、総額 1 億米ドルを支払うという世界的なコンペティション。XPRIZE財団が主催し、人間の老化や長寿に対する治療アプローチに革命を起こし、健康寿命を積極的に10年以上延伸するという挑戦的な課題に取り組むことを目的とする。 https://www.xprize.org/prizes/healthspan

注2. PAI-1(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1)阻害薬: PAI-1は血栓形成に重要なタンパク。TM5614は、東北大学で開発した新規のPAI-1を 阻害する内服薬であり、血栓溶解作用に加えて、がんや老化細胞を除去するための免疫系を亢進する作用を有する。

注3. Senolytic Drug:がん化を促進する事なく老化関連疾患を抑制すること をsenolyticsといい、その作用を有する医薬品をsenolytic drugという。老化(senescence)と対抗(lytics)を組み合わせた言葉で、「老化防止」を意味する。

注4. 広島大学で実施する本プロジェクトの一部は、日本学術振興会の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」J-PEAKSの支援を受けています。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科
分子病態治療学分野
教授 宮田 敏男(みやた としお)
電話番号:022-717-8157
Email:souyakulab*gmail.com(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
TEL:022-717-8032
Email:press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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