平成19年9月 学位記授与式 総長お祝いの言葉

本日ここに、東北大学関係各位のご列席のもと、平成19年9月、東北大学、学位記授与式を挙行することになりました。
本日、学士の学位を授与された者は、文学部、6名、法学部、7名、経済学部、5名、理学部、1名、工学部、9名、あわせて28名であります。
修士の学位を授与された者は、文学研究科、1名、法学研究科、1名、経済学研究科、16名、理学研究科、10名、工学研究科、14名、国際文化研究科、1名、情報科学研究科、3名、生命科学研究科、2名、環境科学研究科、13名、合わせて、61名であります。
さらに、専門職大学院学位授与者は、法科大学院、1名、会計大学院、6名、合わせて、7名であります。
博士の学位を授与された者は、課程を修了した者、文学研究科、7名、教育学研究科、1名、法学研究科、1名、経済学研究科、2名、理学研究科、11名、医学系研究科、15名、薬学研究科、3名、工学研究科、56名、国際文化研究科、4名、情報科学研究科、4名、生命科学研究科、1名、環境科学研究科、4 名、合わせて、109名であります。
博士論文を提出し、博士の学位を授与された者は、文学研究科、2名、経済学研究科、1名、理学研究科、3名、医学系研究科、6名、薬学研究科、4名、工学研究科、1名、農学研究科、2名、生命科学研究科、2名、合わせて、21名であります。
本日の学位記授与者は226名でありますが、その中には、10月に入学した者、102名、学業成績が優秀により、早期卒業制度適用者、3名、修士、博士、在学期間短縮適用者、22名の諸君らもおります。
さらに、長年にわたる大変な努力により論文を書き上げ、博士の学位を授与された方々もおります。
長い間の研鑽が実を結び、本日ここに学位を授与されたことに対し、心から敬意を表しお祝いを申し上げます。また、同時に、諸君を何年にもわたり、暖かく見守り、支えてこられました、ご家族をはじめ、本日ここにご出席いただきました皆様にも、心からお祝いを申し上げます。
諸君には、本学学位の授与、そして、杜の都、学都仙台で、東北大生として過ごしたことを誇りとし、今後、多方面での活躍を期待いたします。
御存知のように、東北大学は、今年、創立100周年という歴史的節目を迎えました。
明治40年、1907年に、わが国の第3番目の帝国大学として設立されて以来の100年を顧みてみますと、本学は、帝国大学の中で他にさきがけて高等専門学校、高等師範学校の卒業生にも就学の道を開き、さらに、大正2年(1913年)には日本の国立大学として始めて、女子学生の入学を認めるなど「門戸開放」が本学の不動の理念でありました。
また、創立にあたっては、世界の先進大学で研鑽を積んだ若き俊秀が教授として集まり、研究と教育は離れては存在できないものと位置づけ、優れた研究に裏打ちされた教育を目指す大学として、「研究第一主義」の精神を確立しました。
また、戦前からいち早く大学発のベンチャー企業を創設して地域産業の育成を図るなど、多くの先端的な研究成果を世界に発信し、日本だけではなく世界の発展に大きく貢献する、「実学尊重」の伝統も育んでまいりました。このような精神は、第二次世界大戦、戦後の成長期を経て、グローバル化が進行する現代にも生き生きと息づいております。
そして、100年間の歴史の中で脈々と受け継がれてきた「門戸開放」「研究第一主義」「実学尊重」の精神のもと、東北大学は、次なる100年の礎を築く第一歩といたしまして、人類社会の様々な課題に挑戦する「世界リーディング・ユニバーシティ」になるという目標を掲げました。
人類社会の発展に貢献していく「世界リーディング・ユニバーシティ」になるという目標は、一朝一夕に実現できるものではありません。また、大学を取り巻く競争環境が絶えず激しく変化することも忘れてはなりません。しかし、これからの進むべき道程を明確にし、東北大学の素晴らしい教職員、学生、そして同窓生が相互に切磋琢磨をしてその力を発揮することで、この目標を達成することができると信じています。
こうした決意をもってこれからの東北大学について考えると、私は、「Challenge (挑戦)」、「Creation (創造) 」、「Innovation (革新) 」という3つのキーワードを基軸に行動することが重要と考えます。そして核となるのは、これからの人類社会の形成に向けた卓越性の追求をもって取り組む「挑戦」の精神です。
東北大学は「知の継承体」として、不撓不屈な挑戦の精神を持つ人材を数多く輩出し、更には国際社会で指導的な役割を果たす人材を各方面に送り出すことによって、人類社会に対する貢献を果していきます。最近ではノーベル賞を受賞した田中耕一東北大学名誉博士など、日本だけではなく世界の発展に大きく貢献する、創造性あふれる逸材を社会に送り出してきました。このような卒業生のめざましい活躍、学内外の方々が各方面であげられた多彩な優れた業績は、本学の理念が結実したものであり、各界のご関係各位の理解と努力の賜物であると存じます。
また、東北大学は「知の創造体」として、挑戦の精神をエネルギーに、世界トップレベルの知を「創造」し、その知を実際に活用することによって、人類社会に対する貢献を果していきます。
そして、本学がどのような目標に向かって、どのような点に留意しつつ進んでいくか。内外に開かれた「知の経営体」として、その目標達成のための戦略を立て、学内外のさまざまな英知を結集して努力していくことにより、本学が培った実力を如何なく発揮し、世界最高水準の研究中心大学として輝かしい前途を切り拓いていけると確信しています。
本日、本学を卒業される諸君も、創立100周年という記念すべき区切りの年に卒業された学生として、様々な形で今後も次なる100年に向けて大学に参画し、東北大学卒業生としての結束を強め、未来の東北大学の一翼を担っていっていただきたい。
21世紀は、「知」の時代です。グローバル化がより一層進んだ21世紀の社会にあっては、地球規模で克服すべき課題に直面しており、その課題を創造知をもって克服していかなければなりません。果敢にチャレンジし、次なる世紀を築いていく使命が、本日ここに学位を授与された諸君には課せられております。先人達が独創の精神と不断の努力により築き上げてきた東北大学の次なる100年は、本日ここに学位を授与された諸君らの活躍にかかっていることには、疑いがありません。無限の可能性を秘めた、諸君らの活躍に期待し、さらにこれからの人生に、幸多きことを祈念し、お祝いの言葉といたします。
平成19年9月25日 東北大学総長 井上 明久
(於:仙台国際センター)