本文へ
ここから本文です

~未来を創造する「東北大学の力」~

 

 

 

※ 再生できない方は、こちらをダウンロードの上ご覧ください。 MP4(25.6MB)

 

東北大学の使命

総長 里見進

 このたび私は、104年の歴史と輝かしい伝統を有する東北大学の総長の職を拝命いたしました。これから6年間、私はすべての情熱を傾注し、ベストを尽くす所存です。よろしくお願いいたします。

 これまで東北大学は、本学を愛する多くの方々にご尽力・ご献身をいただきながら、歴代の総長のリードのもと、教職員の皆様、学生諸君、卒業生とともに、卓越した教育研究拠点としての歴史を築いてきました。このことにつきまして、改めて心より感謝申し上げます。

 東北大学の使命は、「研究第一主義」、「門戸開放」、「実学尊重」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造し、また、研究の成果を社会が直面する諸課題の解決に役立てることを通して、平和で公正な人類社会の実現に貢献することにあります。この使命が本質的に果たされるとき、東北大学は世界のリーダーとしての地位を揺るぎないものとし、国際社会から信頼と敬意をもって迎えられる大学となるでしょう。
これからの東北大学も、この使命を果たすことを目標として、更なる教育研究の質の向上に努め、名実とともに国際的なトップリーダーとして発展を図っていかなければなりません。

 

時代環境と2つのキーワード(「ワールドクラスへの飛躍」と「東北復興の先導」)

 今、私たちは東日本大震災の経験をはじめ、産業収益力の低下や少子高齢化などの激動の時代に身を置いています。加えて、グローバル化による国際競争の激化や地球環境問題など、地球社会での課題解決にも立ち向かわなくてはなりません。現在の日本は、明治維新、戦後改革に匹敵する歴史上三度目の開国の時期、いわゆるパラダイムシフトの真っ只中にあると言われています。
このグローバルでかつ混沌とした時代に、国や社会の理念が改めて問われています。それは高等教育機関としての大学も例外ではありません。大学の機能強化、そして昨今は大学におけるグローバル人材の育成をめぐって、秋入学などの改革の試みが活発化しています。それは18歳人口の急激な減少の問題だけではなく、今日の社会経済のグローバル化あるいは情報化社会の進展に対して、日本の教育研究システムが十分対応できなくなっていることとも関連しています。
このような状況において、私たちは、大学が知の創造と継承のための社会の公共財ということを念頭に置かなければなりません。本学の100年余の知の蓄積も国民の財政的支援によって初めて可能となったものであり、ここに国民と社会からの負託にどう応えていくかという、現在の大学が抱える重要なテーマがあります。そして、その負託に応えていくには、「次世代のために何をしなければならないのか」という揺るぎない基本姿勢が重要となります。

 私は、次世代のために本学の使命をより高度に実現する努力を続けたいと考えています。その目指す姿を具体的な2つのキーワードで示すならば、「ワールドクラスへの飛躍」と「東北復興の先導」ということになります。
まず第一に、学術基盤を豊かなものとし、教育研究レベルの一層の向上を図り、「ワールドクラスへの飛躍」を目指します。教育面では、知識を覚えるだけではなく、知性を磨き、その知性を社会のために発揮できるリベラルアーツとは何なのかをもう一度見直します。そして、異なる国籍や専門領域をもつ人々が集う中で、学際的かつ多様な学びができる環境を整え、優れた語学力とコミュニケーション能力を兼ね備えたグローバル社会に対応できる人材を輩出していきます。研究面では、世界を牽引するトップレベルの研究拠点として、先端的・融合的な研究を推進していくと同時に、基盤的な研究を拡充していきます。もとより大学の研究は個人の発想に基づいた自由研究が基本ですが、国民と社会からの負託を考えていくとき、戦略的なフォーカスも必要となるでしょう。これらの教育研究に力を注いでいけるよう、自然環境と調和した景観と機能性を備えたキャンパス環境の整備にも力を注ぎます。そして、スリムな組織によるたくましい経営で、教育研究活動を確実に担保していきます。
第二に、「東北復興の先導」を目指します。東日本大震災の惨禍から1年余が経って、被災地では復興の兆しが見え始めているものの、本格的な復興はこれからです。東北大学は被災地にある総合大学として、東北大学災害復興新生研究機構を立ち上げ、災害科学国際研究所の設置、東北メディカル・バンク計画の実施などの7つの大型プロジェクトのほか180を超える多様なプロジェクトを構築しました。これらのプロジェクトを、国内外の研究者、企業、行政との協同作業で実行していきます。
そして、東北大学の魅力や活動をもっと国内外に浸透させるべく、情報発信力の強化を進めていきます。

 

未来を創造する担い手として

 東北大学は、時代を追いかけるのではなく、時代を先取りして未来を創造し、歴史に自らを位置付けることができる存在であると信じます。私は、人類社会の未来を担うワールドクラスの教育研究拠点として、国家や地域を超えてミッションを実現していく決意です。と同時に、グローバリゼーションは避けて通れない道とはいえ、東北、そして日本の大学であるというルーツを自覚して、地域社会との幅広い連携により日本新生に貢献していく決意です。
これらの決意を実行に移していくため、責任ある経営・推進体制を強化するとともに、さらに本学の目指す方向を一層明確にする具体的戦略の検討を深め、皆様一人ひとりが創造的活動に参画することを喜びとすることができるように取り組んでいきたいと考えます。

 皆様それぞれに、東北大学の使命を共有していただき、その実現に参画していただければ本当に嬉しく思います。

 皆様の御理解と御支援のほどを改めてお願い申し上げて、総長就任の御挨拶とさせていただきます。

 

平成24年4月2日   東北大学総長   里 見   進   

このページの先頭へ