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東日本大震災以後のドキュメンタリー映画から地域社会・地域文化を考える公開研究会の開催

東日本大震災では発生直後より多くの映像記録が残されてきました。被災状況や体験者の証言、被災地域の伝統行事や民俗芸能の記録などドキュメンタリー映画として作品化・上映されたものだけでも数百タイトルを数えます。東北アジア研究センター災害人文学ユニットでは、東日本大震災にまつわるドキュメンタリー映画の上映・鑑賞と、映画監督ら製作者や、研究者を交えた意見交換を通して、地域文化と地域社会の存続に関して映像記録の担う役割と可能性を考えます。

今回の上映作品『廻り神楽』は、岩手県三陸沿岸地域を340年以上巡り続けてきた、岩⼿県宮古市黒森神社に伝わる「黒森神楽」の巡行に密着したドキュメンタリー映画です。繰り返し津波に襲われてきた三陸沿岸で何百年ものあいだ、神楽は自然と人々の間を取り結ぶ役目を果たしてきました。震災を経てもなお神楽衆が舞を続けるのはなぜなのでしょうか。生活と信仰が分かち難く結びつくこの地で、震災以前と以後の日常をつなぐ神楽が人々の心を支え、活力となっていく様をとらえた本作の上映を行うとともに、本作共同監督・プロデューサーの遠藤協氏、エグゼクティブプロデューサーの北村皆雄氏を迎え、映像記録と民俗芸能の継承、地域復興の関わりを考えます。

なお本企画は、指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点事業の一環として行われます。


災害人文学研究会 2018年度第3回研究会
「ドキュメンタリー映画『廻り神楽』を観る」

上映作品

『廻り神楽』
岩手県三陸沿岸の地域の神楽衆は正月になると、岩⼿県宮古市の黒森神社に伝わる神霊を移した「権現様」(獅子頭)を携えて集落を廻り、家の庭先で悪魔払いや火伏せの祈祷を行います。夜は宿となった民家の座敷で夜神楽を演じ、人々を楽しませます。海とともに生きる三陸の人々は家に神楽を迎え入れ、海の安全、大漁祈願、家族の安寧の祈りを託してきました。2011年の東日本大震災により海辺の人々は深い傷を受けました。しかし、津波から間一髪逃れた神楽衆が、人々を慰めようと巡行を再開しました。『廻り神楽』は、繰り返し津波に襲われてきた土地で、何百年ものあいだ自然と人々の間を取り結ぶ役目を果たしてきた神楽衆の巡行を追ったドキュメンタリー映画です。

(写真提供:ヴィジュアルフォークロア)

プログラム

第一部 映画上映会 18:15~19:50
第二部 意見交換会 20:00~20:30

[登壇]遠藤協(『廻り神楽』共同監督・兼プロデューサー)
北村皆雄(『廻り神楽』エグゼクティブプロデューサー)

[ファシリテーター]小谷竜介(東北アジア研究センター客員准教授、東北歴史博物館副主任研究員)

日時

2018年10月2日(火) 18:15~20:30

場所

東北大学川内北キャンパス講義棟B棟101室(宮城県仙台市青葉区川内41)

入場料

不要

参加申し込み

不要

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

東北大学東北アジア研究センター
災害人文学ユニット
担当: 是恒(これつね)、福田
電話: 022-795-3842
E-mail: saigaijinbungaku*gmail.com (*を@に置き換えてください)

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