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健康づくりのための"継続の力" 全身持久力の基準を3年以上達成すると高血圧の発症リスクが低くなる

【発表のポイント】

  • 全身持久力注1を測定した男性6653 人を23年間追跡して、厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」注2で設定している全身持久力の基準注3の達成回数によって、高血圧の発症リスクが異なるか検討した。
  • 追跡開始時点で基準を達成していたグループでは、達成していなかったグループと比較して高血圧の発症リスクが低いことが明らかになった。
  • 追跡開始以前の6年間における基準達成回数で高血圧リスクを比較した結果、基準を3回以上達成したグループでは高血圧の発症リスクが明確に低くなることが示された。

【概要】

東北大学大学院医学系研究科の門間 陽樹(もんま はるき)講師と同大学院医工学研究科の永富 良一(ながとみ りょういち)教授(兼大学院医学系研究科)は、東京ガス株式会社および国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と共同で勤労者男性を対象とした追跡調査を行い、2013年に厚生労働省が公表した「健康づくりのための身体活動基準2013」で設定されている全身持久力の基準を6年間で3回以上達成していると、その後の高血圧発症のリスクが低いことを明らかにしました。本研究は、高血圧の予防に対して、「健康づくりのための身体活動基準2013」で設定されている全身持久力の基準が妥当であることを支持する結果を示しており、運動指導や保健指導等の現場で役立つ重要な報告です。この成果は、2018年9月17日に、Journal of Hypertension(電子版)に掲載されました。

なお、本研究は研究費としてJSPS科研費 JP16K16591の支援を受けて行われました。

【用語説明】

注1. 全身持久力:体力を構成する1 つの要素。一般的には、持久力やスタミナなどと呼ばれている。ランニングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動によって高めることができる。新体力テストではシャトルランニングが全身持久力の測定項目となっている。

注2. 健康づくりのための身体活動基準2013:2013 年に厚生労働省から公表された基準で、全身持久力だけではなく、生活習慣病等を発症するリスクを低減させるために、個人にとって達成することが望ましい身体活動の基準が記載されている。
(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html)

注3. 基準:全身持久力については、システマティックレビューで採択された全身持久力と生活習慣病等及び生活機能低下のリスクとの関係を検討した44 本の論文を統合した結果が採用されている。

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詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)

東北大学大学院医学系研究科運動学分野

講師 門間 陽樹(もんま はるき)

電話番号:022-717-8166

Eメール:h-momma*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)

東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室

電話番号:022-717-7891

FAX番号:022-717-8187

Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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