本文へ
ここから本文です

統合失調症やパーキンソン病の治療薬の標的の構造解明 ―副作用を抑えた薬の合理的な探索・設計が可能に―

概要

京都大学大学院医学研究科 島村達郎 特定講師、岩田想 同教授、木村香菜子 同研究員らの研究グループは、東北大学大学院薬学研究科 井上飛鳥 准教授、青木淳賢 同教授らとの共同研究により、セロトニン2A受容体の立体構造を、X線結晶構造解析の手法を用いて世界で初めて解明しました。セロトニン2A受容体は、統合失調症や、パーキンソン病の精神症状(幻覚・妄想)などに対する治療薬が作用するタンパク質です。これらの薬には、セロトニン2A受容体と類似する他の受容体にも作用することで発生する副作用が知られています。本研究では、セロトニン2A受容体に薬が結合する部位の近くに、セロトニン2A受容体に特有の構造が存在することがわかりました。今後は、セロトニン2A受容体の原子レベルの構造情報を基に、より有効性が高く副作用の少ない治療薬の探索・設計が可能になると期待されます。

本研究成果は、2019年2月5日に国際学術誌「Nature Structural & Molecular Biology」にオンライン掲載されました。

図 セロトニン2A受容体の全体構造(左)と断面図(右)。水色は薬剤結合部位に結合したリスペリドン。セロトニン2A受容体の薬剤結合部位の近くに、他のアミン受容体には見られないトンネルが存在することがわかりました。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

<研究内容に関すること>
東北大学大学院薬学研究科
分子細胞生化学分野 准教授 井上飛鳥
TEL:022-795-6861
FAX:022-795-6859 
E-mail:iaska*m.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学大学院薬学研究科 総務係
Tel:022-795-6801
Fax:022-795-6805
E-mail:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ