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錠剤サイズの「飲む体温計」動物適用実験に成功 ~胃酸発電で動作。病気の早期発見や健康増進に期待~

【発表のポイント】

  • 胃酸発電でエネルギーを獲得する錠剤サイズの「飲む体温計」を開発し,動物適用実験にてコンセプトの実証に成功しました。
  • 本センサは,有害なボタン電池を用いていないので,高い安全性を実現できます。また,小さいので,滞留なく体外に排出されることが期待できます。
  • 真の基礎体温(安静時の深部体温)や体内時計を日常的に測定,管理することにより,病気の早期発見や健康増進につながることが期待されます。

【概要】

東北大学イノベーション戦略推進センターの中村力特任教授,マイクロシステム融合研究開発センターの宮口裕助手,工学研究科の吉田慎哉特任准教授らの研究グループは,胃酸発電で動作する錠剤サイズの「飲む体温計」を開発し,この度動物適用実験に成功しました。

安静時の基礎体温,深部体温やそのリズム(体内時計)は,健康状態を把握するための重要な指標の1つです。これらは一般的な体温計では測定が難しく,また誤差が大きいです。温度センサを肛門に挿して直腸温を測定する方法は,正確かつ比較的容易に深部体温を測定できますが,これを日常的に行うことは困難です。

そこで研究グループは,胃酸発電でエネルギーを獲得する飲み込み型センサを開発しました。胃の中でセンサに貯めたエネルギーを腸内でも使用することで,深部体温を継続的にモニタリングすることができます。有害なボタン電池を搭載していないので安全です。また,錠剤サイズにまで小さくすることで,滞留せずに確実に体外に排出されることが期待できます。今回,試作したセンサを動物に服用させて動作検証をしました。その結果,発電,測温,通信というシステム全体の動作を確認することで,コンセプトの実証に成功しました。

本成果は,3月12-14日に開催される2019 IEEE 1st Global Conference on Life Sciences and Technologies (LifeTech)にて発表されます。

本研究は,科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業 「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援によって行われました。

図1 試作した胃酸発電で駆動する「飲む体温計」。(a) センサと一円玉との比較写真 (b) センサの断面概略図

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学産学連携機構イノベーション戦略推進センター
特任教授 中村 力
電話 022-752-2192  E-mail  tsutomu.nakamura.d4*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

東北大学大学院工学研究科
特任准教授 吉田 慎哉
電話 022-795-6937  E-mail  s-yoshida*mems.mech.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

(報道担当)
東北大学 産学連携機構 イノベーション戦略推進センター 事務支援室
電話 022-752-2187  E-mail  promo-innov-koho*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

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